2022 Fiscal Year Research-status Report
リンパ管壁のペリサイトに着目した重度リンパ浮腫発症機序の解明
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21K16924
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
林田 健志 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (50599933)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / ペリサイト / 再生医療 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らが過去に報告した方法で、リンパ浮腫モデルマウスを作製した。モデルマウスの浮腫部において、経時的にリンパ管の再生過程を検討した。LYVE-1を用いたリンパ管内皮細胞特異的免疫染色と、電子顕微鏡像を併用したリンパ管の再生に関する検討において、リンパ管壁には、骨髄由来の細胞が集積していることを発見し、論文作成を行い、現在投稿中である。 おそらく成人のヒトにおいても、同様なリンパ管の再生過程が進んでいることが推測され、今後のリンパ管再生研究において重要な知見になると思われる。 また、リンパ関連疾患であるリンパ漏に関する論文を2本報告した。その中で、重度リンパ浮腫に関連した、抗炎症作用を持つ薬剤開発の可能性や、抗サイトカイン療法の必要性、さらに、細胞移植治療が今後は期待されていることを過去の論文報告を検討して述べた。 今回の検討では、脂肪由来幹細胞を用いて、リンパ管の再生過程に加速をかけ、より迅速で詳細な検討も行っている。そこで、創傷治癒における脂肪由来幹細胞の機能と役目に関する総説論文を1本報告した。脂肪由来幹細胞は、浮腫部の線維化抑制と、さらには改善効果をもたらすことを、我々は過去に報告した。それのみならず、創傷治癒とその後の組織線維化においても中心的な役割を果たしていることが推察された。 実施計画は順調であり、今後は、さらにリンパ管周囲のペリサイトに関する免疫染色、電子顕微鏡像の観察、浮腫に関連するサイトカインの網羅的解析を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおりに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪由来幹細胞を用いたリンパ浮腫モデルマウスと、ペリサイト消失リンパ浮腫モデルマウスの比較検討を行いたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大によって、国際学会発表ができなかったため。2023年度は、研究成果を海外の国際学会で発表予定。
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Research Products
(4 results)