2023 Fiscal Year Annual Research Report
Fam20CとDmp1/Dspp過剰発現マウスを用いた硬組織のリン酸化の役割解明
Project/Area Number |
21K16930
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣瀬 勝俊 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (00824898)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 骨 / 象牙質 / リン酸化 / 酸性リン蛋白質 / Fam20C / Dmp1 / DSPP |
Outline of Annual Research Achievements |
a生体硬組織の石灰化は、骨では骨芽細胞が、歯の象牙質では象牙芽細胞が産生する細胞外基質蛋白質を核として起こる。特に、硬組織に豊富かつ特異的に存在する酸性リン蛋白質が石灰化に重要な役割を担っていると考えられている。近年、酸性リン蛋白質のリン酸化を担う酵素としてFam20C (family with sequence similarity 20, member C)が同定され、Fam20Cによるリン酸化が石灰化制御に重要であると注目されている。本研究では、骨芽細胞/象牙芽細胞特異的にFam20Cを過剰発現するマウス(Fam20C-Tg)を用いて、骨や象牙質の代表的な酸性リン蛋白質であるDmp1 (dentin Matrix Protein 1)等のリン酸化の役割を明らかにすることを目的とする。 Fam20C-Tgマウスの骨の解析から、細胞外基質のリン酸化は、骨組織の石灰化亢進、破骨細胞性骨吸収の促進、骨芽細胞分化の調整に関与することが明らかとなった。また、Fam20C-Tgマウスの歯の解析から、同様に、歯冠象牙質の石灰化亢進、歯根象牙芽細胞の分化の調整に関与することが明らかとなった。 次に、Dmp1を過剰発現するDmp1-Tgマウスとの交配し、酸性リン蛋白質のリン酸化の役割を検討した。Fam20C-Tg;Dmp1-Tgマウスでは、多発骨折、骨の菲薄化、脊椎湾曲などの表現型が認められた。この表現型には、急速な骨の石灰化による成長障害や、骨芽細胞分化異常、破骨細胞性骨吸収の促進などが影響しているものと推測された。
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