2021 Fiscal Year Research-status Report
味覚酸・CO2センサーの口腔外機能:延髄呼吸中枢での役割
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21K16931
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
難波 友里 岡山大学, 大学病院, 医員 (40844303)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 味覚 / 味覚受容体 / 酸味受容体 / 中枢化学受容器 / 呼吸中枢 / CA4 / Phox2b |
Outline of Annual Research Achievements |
味覚器で酸味に関係するH+やCO2の受容を担うotopetrin(OTOP)およびcarbonic anhydrase(CA)が、中枢化学受容器におけるCO2やH+受容に寄与する可能性を検討するため、まずマウス延髄腹側表層部におけるCA4の発現について免疫組織化学的手法を用いて検討した。潅流固定後に脳を摘出し、20μmの凍結切片を作成した。抗CA4抗体による一次染色を行った後に標識二次抗体による染色を行い、レーザー顕微鏡で観察したところ抗CA4抗体陽性細胞が確認された。次に、先天性中枢性低換気症候群の原因遺伝子であるphox2b発現細胞がCO2やH+の受容に関与すると考えられていることから、CA4とPhox2bの多重染色を行ったところ、共発現している細胞が確認された。CO2/H+に感受性を持つアストロサイトが延髄腹側呼吸ニューロン群を通して呼吸ニューロンを活性化させるという報告(Thomas & Spyer,2000;Gourine & Kasparov,2011)があることから、グリア細胞マーカーGFAPとCA4の共発現についても同様に多重染色を行い解析した。 また、脳内の神経活動マーカーであるc-fosの発現が高CO2換気刺激で上昇することが知られている(Wakai et al., 2015)ことから、濃度の異なるCO2換気刺激を行った際の延髄腹側呼吸ニューロン群におけるc-FosとPhox2bとの共発現について、多重染色を行い解析したところ、大気よりも高い濃度のCO2で刺激した際には抗Phox2b抗体陽性細胞の1/3程度が抗c-Fos抗体にも陽性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験室移転に伴い実験を行えない期間があった
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Strategy for Future Research Activity |
CO2換気刺激の条件について更に検討を行うと共に、CA4のノックアウトマウスを用いたCO2に対する換気応答についての解析を行う。 また脳スライス切片を用いたパッチクランプ法による電気生理学的検討についても準備し行っていく
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