2022 Fiscal Year Research-status Report
新規核酸増幅法を用いた口腔がん特異的な唾液由来miRNAの検出
Project/Area Number |
21K16939
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂田 健一郎 北海道大学, 大学病院, 助教 (10826051)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | microRNA / 口腔がん |
Outline of Annual Research Achievements |
microRNA(miRNA)は腫瘍組織中で高発現し、その特異性は腫瘍マーカーより高い。申請者は現在、口腔癌診療を行っている中で、無侵襲に解析できる唾液を病態解明、早期診断、早期治療、薬剤効果、転移や再発の検知に用いることができないかと着想した。口腔癌の主な治療は外科的切除であるが、術後に発音、咀嚼障害、嚥下、整容面などの機能障害を引き起こすため早期発見が重要である。口腔がん患者の唾液から、signal amplification by ternary initiationcomplexes法(SATIC法)を用いてmiRNAを検出する。SATIC法は、RNAのまま短時間で核酸増幅が可能であり、唾液から20分以内に腫瘍特異的miRNAを検出する手法を開発する。SATIC法は通常のPCR法に代わる、技術革新である。Covid19の迅速診断法で注目されており、PCR法と異なり核酸(DNAやRNA)の抽出が不要であり、特定の装置(高速温度制御装置)などが必要なく安価で早く、高感度で定量性があるという利点がある。SATIC法を用いることで、がんや生活習慣病に関わる遺伝子や細菌やウイルスのゲノム等の特定遺伝子、特異タンパク質、microRNAが検出可能で、最終的にナノ磁性ビーズの凝集の有無により可視化(蛍光発光)し判定する方法である。低侵襲で簡便に採取可能で、歯科医師として日常診療で馴染みの深い唾液を検体として用いることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、SATIC法の完全な確立には至っていない。本学、自主臨床計画では口腔癌患者の唾液のmiRNA解析の許可を得た段階であり、現在サンプル採集を行った。複数検体で、SATIC法の確立を試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
SATIC法の確立が難しい場合は、採取した唾液検体を用いてマイクロアレイ解析も検討する。
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Causes of Carryover |
消耗品の使用額が少なかったため、次年度使用が生じた。2023年度に上乗せし、紙や文房具などの消耗品を購入予定である。
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