2022 Fiscal Year Annual Research Report
天然由来レクチンを用いた唾液アミラーゼ糖結合性の探索と解明
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21K16946
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊東 有希 (信田有希) 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (80771162)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レクチン / αアミラーゼ / バイオフィルム |
Outline of Annual Research Achievements |
唾液中αアミラーゼはデンプンを加水分解して,う蝕原因菌であるStreptococcus属の栄養源であるグルコース産生を助長するだけでなく,ペリクルにおいてStreptococcus属が結合するレセプターとしても機能し,歯面上での口腔バイオフィルム形成に関与している。レクチンは糖鎖を特異的に認識するタンパク質であるが,これまで申請者らは天然由来レクチンのうち,海藻レクチンやマッシュルームレクチンなどのGalβ1-3GalNAc(Core 1構造)認識レクチンが,唾液成分中に含まれるO型糖鎖の一つであるGalβ1-3GalNAcに結合することで口腔バイオフィルムの形成を阻害する傾向を得てきた。 本研究では,数多く存在する天然由来レクチンが,バイオフィルム形成に深く関わる,唾液成分中のαアミラーゼなどのタンパク質と結合するかを検討,さらにその認識糖鎖を検討することで,天然由来レクチンが口腔バイオフィルム形成において果たす役割をより解明していくことを目的とし,これまで以下の研究を実施してきた。 1. 唾液由来αアミラーゼ濃度の決定:抗αアミラーゼ抗体を使用してELISA法を実施,αアミラーゼの濃度を2.5unit/μLに設定した。 2. Agaricus bisporus(マッシュルーム)レクチン(ABA)とαアミラーゼ間結合の検討:ELISA直接法を用いてαアミラーゼとABA間の結合を定量したところ,ABAの濃度勾配に合致した両者の結合があることがわかった。 3. αアミラーゼ存在時のStreptococcus mutansバイオフィルム量の定量:クリスタルバイオレット染色法を用いてバイオフィルム量を定量したところ,αアミラーゼ存在時にバイオフィルム量が多い傾向があった。
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