2023 Fiscal Year Research-status Report
同一患者より樹立した原発巣と転移巣由来の癌細胞株における転移関連遺伝子解析
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21K16948
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤永 貴大 九州大学, 大学病院, 助教 (10738206)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 転移関連遺伝子 / MAGEC1 / MAGEA11 / MACC1 / HTRA1 |
Outline of Annual Research Achievements |
同一患者より樹立した下顎歯肉扁平上皮癌原発巣由来細胞株( WK2 )と後発頸部リンパ節転移巣由 来細胞株( WK3F )に対して行ったマイクロアレイ法による解析で、著しく発現量の相違が認められた遺伝子を転移関連遺伝子候補(MAGEC1、MAGEA11、MACC1、HTRA1)とした。それら遺伝子の強制発現細胞株、ノックダウン細胞株を作製し、再度 in vitro での生物学的特性の解析、in vivo での転移実験を行い、標的遺伝子の転移への影響を評価を行う。それにより転移機構の中でこれらの遺伝子の関与が明らかになれば、新しい治療の標的遺伝子となり得ると考えられる。2023年度は前年度に引き続きWK2およびWK3Fの各々に対して、転移関連遺伝子候補4種類の強制発現細胞株およびノックダウン細胞株の16種類を作製することを試み、並行してin vitro の研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
標的遺伝子の強制発現細胞株・ノックダウン細胞株の作製を試みたが、細胞特性が安定せず in vitro の実験結果に再現性のない状況が発生しており、原因を究明中である。現在、SASやHSCなど安定株を用いて再現性があるか研究デザインであるか検証中である。
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Strategy for Future Research Activity |
結果に再現性がないことに関して、様々な媒体のトランスフェクション実験トラブルシューティングを参考に対応策を検討している。 ・ベクターが使用細胞に対して不適合である場合を考え、再度別のベクターの使用を試みる。 ・他業務により一貫した細胞生育環境を作れていない(研究可能な時にコンフルエントに達しているなど)ため、定まった時間を確保できるスケジュールを組む。 ・複数の遺伝子に対する研究であり使用細胞株が多数のため、ターゲットを絞り込んで行う。
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Causes of Carryover |
薬品(抗体、培養液、プライマーなど)およびプラスチック器具などの消耗品の購入に加えて、研究室で保持しているベクターとは別種類のベクターの購入も検討している。情報収集・研究成果報告のための旅費や論文投稿に対して使用することも計画している。
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