2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K16952
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
津田 香那 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (60790756)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 唾液腺腫瘍 / 唾液腺導管癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
唾液腺上皮性腫瘍には多くの組織型が存在し、これらは多彩な病理組織像を示すため、HE像や免疫染色の結果のみでは診断困難な症例がしばしば認められる。しかし、近年多くの組織型において特異的な遺伝子異常が報告されており、これらは病理診断の補助や予後予測因子として有用と考えられている。 申請者は唾液腺上皮性腫瘍の中で、非常に悪性度が高いものの、明確な治療法のない唾液腺導管癌に着目し、次世代シーケンサー解析を行った結果、約23%の唾液腺導管癌にRET遺伝子異常を認めた。近年一部の唾液腺導管癌にはNCOA4-RET融合遺伝子が報告されており、この遺伝子異常を持つ症例に対するRET遺伝子の分子標的治療薬の有効性も示唆されている。 唾液腺導管癌はde novo症例のみならず、多形腺腫由来癌として発生するものも多く見られるため、申請者は名古屋市立大学病院で摘出された唾液腺導管癌と多形腺腫由来癌を合わせた80例を研究対象とし、RT-PCR法を用いてRET遺伝子異常の有無を解析するために症例データの整理や試薬の準備を行った。 その後、産前産後休暇および育児休暇を取得のため研究を中断していたが、令和5年4月より研究を再開する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
出産および育児休暇により、中断していたが、令和5年度より研究を再開する予定であるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、次世代シーケンサー解析でRET遺伝子異常を認めた症例を対象に、PCRおよびFISH解析を行う。 また、RET以外にもTP53の遺伝子異常も複数例で認められ、これらの遺伝子異常においても、予後や悪性度との関連性を検討する。 対象症例はde novoの唾液腺導管癌のみならず、多形腺腫由来癌として発生した唾液腺導管癌にも拡大し、さらなる研究を進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
令和4年度は育児休暇取得により研究を中断していたため。
|