2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K16953
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
行森 茜 昭和大学, 歯学部, 助教 (60813748)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Foxc1 / ChIP-seq / 唾液腺発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題ではChIP-seqを用いて胎生期唾液腺でのFoxc1結合部位をゲノムワイドに解析し、唾液腺発生初期におけるFoxc1の作動様式および制御遺伝子の同定を目的としている。 2021年度では胎生16日マウス顎下腺の採取と、Foxc1抗体を用いたChIP-seqを行った。 Foxc1 ChIP-seqにて60906個のピーク、14950種の推定標的遺伝子が検出された。ピークの半数は転写開始点から±50-500kbpに位置し、転写因子として典型的なパターンを示していた。Gene ontology解析より、Mouse PhenotypeにおいてFoxc1結合領域は唾液腺の形態形成に関わる遺伝子群と高い関連を示した。胎生16日マウス顎下腺のChIP-seqデータとRNA-seqのデータ、過去の文献を照らし合わせ、唾液腺発生に関連する複数の候補遺伝子を絞り込んだ。候補遺伝子には転写因子やシグナル伝達に関わる受容体が含まれていた。モチーフ解析では、上位1000ピークにおけるFoxc1結合モチーフは1種類のみが検出された。データベース上のFoxc1結合モチーフと比較したところ、Foxc1結合モチーフの前半の配列は全データ共通だった一方、後半の配列はデータによりばらつきがあった。このことより、Foxc1が他のタンパクと複合体を形成し、時期や臓器によって複合体を形成する相手となるタンパクが異なっている可能性があることが示された。 以上より、Foxc1は唾液腺発生に関与する分子を標的とし、その発現を制御している可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の研究計画では胎生期唾液腺採取と、胎生期唾液腺ChIP-seqを予定していたため、おおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は候補遺伝子の発現解析やFoxc1過剰発現系/抑制系での発現変動解析を予定している。候補遺伝子の発現解析では、候補遺伝子とFoxc1の共局在を確認する。また候補遺伝子の発現をマウス唾液腺発生過程において経時的に免疫染色を用いて確認する。Foxc1過剰発現系ではFoxc1遺伝子を導入したヒト唾液腺導管上皮細胞で候補遺伝子の発現変動を確認する。Foxc1抑制系ではマウス唾液腺の器官培養にFoxc1-siRNAを用いてFoxc1の遺伝子発現を抑制し、候補遺伝子の発現変動を確認する。
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Causes of Carryover |
<理由>胎生期マウスの週齢をE13→E16に変更した結果、実験に使用したマウスの匹数が減少したため。 <使用計画>2022年度に予定されている、発現解析や発現変動解析の消耗品に使用する。
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Research Products
(1 results)