2021 Fiscal Year Research-status Report
コラーゲン結合蛋白産生性齲蝕原性細菌の脳微小出血発症機序と革新的治療法開発
Project/Area Number |
21K16961
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
服部 頼都 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (60713849)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 脳微小出血 / Cnm / Streptococcus mutans / 脳小血管病 |
Outline of Annual Research Achievements |
齲蝕原性細菌であるStreptococcus mutansのうちコラーゲン結合蛋白Cnmを発現する株の口内保有と脳内出血の関連が明らかとなっている.Cnm陽性S. mutans保有群では脳微小出血(CMBs)の数が有意に多い (Tonomura et al. Sci Rep. 2016).また,CMBs増加のリスク比が13.9倍であった (Hosoki et al. Stroke. 2020).しかしながら,Cnmを発現する S.mutans 保有者すべてがCMBsを保有するわけではなく,また,CMBsの保有数にも差がある. S.mutansのCnmタンパクの基本構造でコラーゲン結合ドメイン(Aドメイン)とそれに続く繰り返し配列のBリピート領域があり、この領域の機能は現時点で不明である。 我々は,本研究の予備実験で、リピート長が長い領域を持つCnmはCMBsの重症度が高い傾向であるデータを保有しており、本研究で国立循環器病研究センターに脳卒中で入院した患者のデンタルプラークを採取し,培養にてCnm陽性S. mutansが陽性と判明したデンタルプラークから,この領域の塩基配列長をPCRによって測定し、塩基配列長によってCMBsの重症度が層別化できるかどうかを検討する。 2021年度は、本研究が施行される国立循環器病研究センターにおいて、頭部MRIの撮影を行っている脳卒中入院患者から、デンタルプラークの採取を行った。採取された患者数は60名で、年齢の中央値は71歳(四分位 60.25~79.00歳)であり、男性は41名(68.3%)であった。来年度は、これらのデンタルプラークと頭部MRIの解析を進めていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者のデンタルプラークの採取と頭部MRIの撮影を順調に行っており、現在撮影した頭部MRIの画像解析も並行して施行中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、頭部MRIの解析(deep CMBsの定量、大脳白質病変の定量、Fazekas分類による大脳は楠津病変のgrade化、Total SVD score)を行う予定としている。定量解析には少なくとも2名の脳神経内科領域に精通する医師を必要とするため、2名以上の読影可能な医師を共同研究者として早めに解析を開始することが重要である。
|
Causes of Carryover |
旅費として300,000円を計上していたが、COVID-19蔓延のため多くの学術総会に参加できず、次年度使用額が生じた。
|
-
[Journal Article] Risk Assessment of Cnm-positive Streptococcus Mutans in Stroke Survivors (RAMESSES): Protocol for a Multicenter Prospective Cohort Study2022
Author(s)
Satoshi Hosoki, Yorito Hattori, Satoshi Saito, Misa Takegami, Shuichi Tonomura, Yumi Yamamoto, Shuhei Ikeda, Naohisa Hosomi, Naoya Oishi, Yoshiaki Morita, Yoshihiro Miyamoto, Ryota Nomura, Kazuhiko Nakano, Masafumi Ihara
-
Journal Title
Frontiers in Neurology
Volume: in press
Pages: in press
Peer Reviewed / Open Access