2023 Fiscal Year Annual Research Report
アメロジェニンによるエピジェネティック制御機構の解明と難治性疾患への挑戦
Project/Area Number |
21K16972
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
四本 かれん 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (00898322)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アメロジェニン |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究で、アメロジェニンが核内移行しヒストン修飾を誘導することで、マクロファージによる抗原提示を抑制するという現象を初めて見出し報告した。しかし、アメロジェニンが核内に移行した後、どのようなエピジェネティック制御を介して免疫抑制と創傷治癒を促進するのかは依然不明である。本研究はアメロジェニンが免疫応答や創傷治癒等に与える影響、およびそこに至るまでの分子メカニズムを解明するため、アメロジェニンの核内移行後のヒストン修飾における作用点の解明、また人為的にアメロジェニンの活性増強が可能か否かを検証する。さらにこれらの結果をもって、アメロジェニンの投与による新しい歯周組織再生療法を開発すると共に、難治性疾患の新規治療確立に向け研究の展開を図る。 アメロジェニンが免疫抑制剤となり得るか否かを検討するため、C57BL/6マウスからBalb/cマウスへの皮膚移植における拒絶反応の解析を行なった。皮膚の採取(ドナーマウス)において腹腔麻酔し、バリカン・除毛クリームで胸部の腹背側を剃毛し、ハサミでマウスの胸部腹背側の皮膚全層を1x1cm2正方形状に切除。シャーレに生理食塩水を浸したガーゼ上に置き保存した。皮膚の移植(レシピエントマウス)においては、腹腔麻酔し、バリカン・除毛クリームで胸部の腹背側を剃毛。ハサミでマウスの胸部腹背側の皮膚全層を1x1cm2正方形状に切除。ドナー皮膚移植片にアメロジェニン(20マイクログラム分)またはPBSを塗布し、レシピエントの需要部に置き、皮膚移植片を縫合しない。その結果、アメロジェニンの初期塗布だけで対照群と比較して拒絶が6日間延長する傾向が観察された。また、移植片壊死面積スコアに関しても有意に壊死面積の減少が確認された。移植7日後の皮膚組織像では対照群で著しい炎症性細胞浸潤が確認されたが,アメロジェニンでは免疫細胞数とMHC Ⅱ+細胞数が有意に減少した。
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