2022 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロRNAを最適化した力学応答歯根膜細胞エクソソームによるDDSの基盤構築
Project/Area Number |
21K16983
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸山 顕太郎 東北大学, 大学病院, 医員 (80833805)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メカニカルストレス / エクソソーム / 歯根膜細胞 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
エクソソームは、タンパク質や、RNA、マイクロRNA (miRNA) 等の核酸が内包されている直径50~150 nmの細胞外小胞であり、生体内のあらゆる細胞から分泌され細胞間コミュニケーションに関与することが知られている。間葉系幹細胞由来エクソソームは抗炎症活性を持つことが知られ、そのエクソソームに含包されたmiRNAが炎症の制御に関与するとされている。近年、生体応答に有用なmiRNAをエクソソームに搭載する方法が注目され、それらmiRNAを搭載したエクソソームを利用したエクソソーム・ドラッグデリバリーシステム (DDS) の開発が注目されている。申請者らは以前、メカニカルストレスを受容した歯根膜線維芽細胞はエクソソームの分泌が増強することを見出し、かつ強い抗炎症活性を有することを発見した。そこで本研究では抗炎症に最適化された歯根膜線維芽細胞由来エクソソームの作成を目指した。 昨年度までに、メカニカルストレスを付与した歯根膜細胞由来エクソソームにおいて炎症制御にかかわるmiRNAであるmiR-146aとmiR-125a-5pの発現上昇がみられることを明らかにした。今年度は抗炎症性miRNAを高度に含包した歯根膜由来エクソソームを作成することを目的とし解析を実施した。歯根膜線維芽細胞に対しメカニカルストレスで発現上昇がみられ、かつ抗炎症性miRNAとして報告されているmiR-125a-5p mimic導入実験を行い、同miRNA発現をqRT-PCR法で解析したところmiRNA mimic導入細胞において発現上昇がみられた。さらに、miRNA mimic導入歯根膜線維芽細胞から抽出したエクソソームにおいても同miRNAの発現上昇が確認された。以上の知見から、歯根膜線維芽細胞由来エクソソームの含包物を改変しDDSに応用できる可能性が示唆された。
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