2021 Fiscal Year Research-status Report
Application of multifunctional membrane using enamel protein for periodontal tissue regeneration
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21K16986
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 裕一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30736179)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エナメル蛋白質 / メンブレン |
Outline of Annual Research Achievements |
エナメル蛋白質であるアメロチンはエナメル質の形成過程において、エナメル質形成後期にエナメル芽細胞から分泌される。アメロチンは石灰化を促進しつつ、自らも核となる性質があるとされている。また、同じくエナメル質形成後期にエナメル芽細胞から分泌されるODAM(Odontogenic, Ameloblast Associated)も同様の性質を持つとされている。またどちらも、歯と歯肉の境目の接合上皮に特異的に発現するタンパク質であり、歯と歯肉の接着に関与しているといわれている。本研究ではそのアメロチンとODAMを用いて、これまで申請者はラット頭蓋骨欠損モデルにおいてAMTNを添加したメンブレンが欠損部の骨治癒、骨再生を有意に促進し、建艦郵送、細胞増殖を促進させることを示してきた。しかし、歯周組織再生への効果に関しては明らかではない。本研究ではアメロチンメンブレン、ODAMメンブレン、アメロチン+ODAMメンブレンを用いて、歯周組織再生への効果を検討する。さらに、これまで大腸菌によって合成されたリコンビナントタンパク質を用いて研究を行ってきたが、更なる効果を求めて動物細胞で発現させた翻訳後修飾されたタンパク質の特性の解析、さらにヒトへの応用を見据えて、メンブレンの物理化学的・生物学的特性を調べ、歯周組織再生治療への応用に適しているか検討している。 本年度はアメロチンメンブレンの特性解析を行った。このアメロチンメンブレンは象牙質に通常のメンブレンの3倍近くの接着強さを示した。またこの特性は基盤となるメンブレンの種類に依存しなかった。またメンブレンから放出されるアメロチンは総アメロチン量の約1%と、ほとんどのアメロチンがメンブレンに強く結合していることが明らかになった。本研究結果は英文雑誌に現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス流行の影響で、実験が予定通りに実施できなかった。また、機械の故障も重なりやや実験の進行が遅れいている。
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Strategy for Future Research Activity |
各タンパク質を断片化しベクターに組み込み、動物細胞に胸腺発現させたタンパク質を用いて今後実験を進めていく予定である。解析項目として、歯周組織の周囲の細胞への増殖、石灰化、遺伝子発現への影響、石灰化核形成への影響を調べアミノ酸配列内の活性を持つ配列を探索していく。 その後活性を持つ配列を持つ短いペプチドを用いて、ラット歯槽骨欠損モデルを用いて生体内での実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス流行で実験の進捗に遅れが出てしまったため、繰越経費が生じてしまった。 本年度は流行が落ち着いているところで、実験を計画に沿って進める予定である。
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