2022 Fiscal Year Research-status Report
Application of multifunctional membrane using enamel protein for periodontal tissue regeneration
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21K16986
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 裕一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (30736179)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エナメル蛋白質 / メンブレン |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに作成した、エナメルマトリクスタンパク質の性質を調べるため、in vitroにおいてこのメンブレンの性質についての詳細な分析を行った。制作したメンブレンは、in vitroにおいては疑似体液中で急激に石灰化し、数時間でメンブレン表面に石灰化物を形成し、表面に水中に放置しても、タンパク質は水溶液中に拡散せず、タンパク質の大部分をメンブレン上に保持することが明らかになった。石灰化はタンパク質が存在する表面のみであり、内部や、タンパク質を塗布していない面では石灰化は生じなかった。基盤となるメンブレンの種類を変えても、この性質は変わらなかった。このことは常にメンブレン上にタンパク質が存在することを意味し、骨再生やメンブレンの接着を維持できることを示唆している。 また同時に、ブタを用いてメンブレンの骨再生への効果を検証した。ブタの大臼歯頬側歯肉を剥離し、頬側の歯槽骨に人工的に欠損を作成し、メンブレンを設置し、縫合後、最大12週間での歯周組織の変化を観察した。結果、実験のデザイン上有意な差を得ることはできなかったが、今回用いているメンブレンにおいて、通常のメンブレンよりも骨の再生や、歯肉退縮の抑制、長い上皮付着の抑制などの効果を得ることができた。ブタでの実験は個体差が大きく、実験デザインの再考が必要であることが今回の実験で明らかになったが、今回用いているメンブレンが少なくともの歯周組織の再生の正への効果を持つことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究機関の変更のため、研究計画の変更を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究機関の変更のため、動物を使用した実験を行うことが難しいと考えている。歯肉と歯の接着に関わるタンパク質の解析や、接合上皮、歯根膜等細胞因子についての研究を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
年度途中から厚生労働省に出向することになり、予定していた動物実験やその他実験の計画の変更を余儀なくされた。 2023年は歯肉と歯をつなぐタンパク質と細胞に関するin vitroの実験に変更し、実験を継続させていく予定である。
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