2023 Fiscal Year Annual Research Report
3Dプリンタと成長因子FGF-2を応用した顎骨増大とインプラント同時埋入法の開発
Project/Area Number |
21K17006
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡田 宗大 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 医員 (10877096)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 炭酸アパタイト / 歯周組織再生 / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、水平・垂直的に吸収した顎骨に対する顎骨増大とインプラント同時埋入の術式の構築を目的としている。前年度まではインプラント同時埋入法に使用する骨補填剤として、近年開発された炭酸アパタイト(CO3Ap)に着目した。 2022年度はビーグル犬を用いた1壁性骨欠損モデルに対するCO3Apを用いた歯周組織再生療法の有効性を論文報告した。 本年度は、CO3Apの安全性および有効性を確認するために、歯周炎患者を対象とした単施設・単群前向きパイロット臨床試験が実施された。計4人の患者に対して7本の歯(うち3歯は深い垂直性骨欠損、2歯はClass II根分岐部病変、2歯はClass III根分岐部病変を含む)に対して、CO3Apを用いた歯周組織再生療法が行われた。臨床パラメータとして、プロービングポケット深さ(PPD)、臨床付着レベル(CAL)、プロービング時の出血(BOP)、歯の動揺度(Mo)、プラーク指数(PI)、および歯肉指数(GI)が手術前(ベースライン)、手術後6か月および9か月で評価された。また術前のベースラインと手術後9か月の歯科用X線画像およびコーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)画像による解析も行われた。 PPDの減少とCALの増加量は、それぞれ垂直性骨欠損で5.0 ± 1.0 mm、4.5 ± 0.7 mm、Class II根分岐部病変で1.5 ± 0.7 mm、4.7 ± 1.2 mm、Class III根分岐部病変で4.5 ± 0.7 mm、0.0 mmであった。術後9ヶ月時点における歯科用エックス線画像やCBCTによる解析でも、術前と比較し、骨欠損内の不透過性の亢進が認められた。 以上の所見より、ヒトにおける垂直性骨欠損や根分岐部病変に対するCO3Apを用いた歯周組織再生療法の安全性および有効性が示唆された。 本年度は上記の内容を論文報告した。
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Research Products
(1 results)