2021 Fiscal Year Research-status Report
機械学習理論を応用した進行性下顎頭吸収の発症リスク評価システムの開発
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21K17008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐世 暁 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (50849445)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 進行性下顎頭吸収 / PCR / 有限要素解析 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
顎変形症の治療においてCTやMR画像をもとにした3次元シミュレーションの臨床応用が進んでいる。そのデータを新たに直面する症例の診断に利用することは臨床的有用性が高いが、現在のところ診断および治療方針の決定や特定の疾患予防策の立案に有用なフィードバックに帰結するには至っていない。本研究は術後想定3次元モデルで有限要素法を用いて力学的に解析し、機械学習理論を応用しPCRのリスク評価システムを構築することを目的とする。 本年度は、モデルの構築および予備解析を行った。CTデータから実際の本解析用モデルの構築は時間的負担が大きい作業であり、当初の予定よりも時間がかかったが、より精度の高い解析を行うためには必須であったと考えられた。また本解析の条件検討も進めた。拘束条件は下顎頭上面を完全拘束とし、骨とスクリュー間の摩擦係数を1<μとし固定を仮定すると解析できることを確認した。今後は関節円板に配慮した条件および生体等価性の高い条件の検討を進める予定である。本解析では生体等価性試験で採用された荷重を筋の付着部位や術後に咬合接触がある代表点に荷重する予定であり、必要な咀嚼筋の作用をシミュレートした荷重条件の設定を同時に進めている。咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋の各筋の比率を調整して、解析モデルの生体等価性の条件を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析モデルの構築に時間を要しているものの、予定より早く本解析に進める目途が立ちつつあるため。過去の報告を検討し早期の解析系の確立を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的な実験計画に変更はない。今後は当初の研究計画に従って、構築したモデルを用いて本解析を実施し、顎骨内応力分布の傾向について検討する予定である。解析結果から形態的あるいは力学的特徴を算出し、それを構築システムのパラメータとして使用できないか検討する。
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Causes of Carryover |
発表するために参加した国際学会がウェブ開催となり、それに伴う旅費と学会参加費が不要になったため。解析ソフトの費用が予定より安価で調達できたことによる。 これらは翌年度分の助成金と合わせて、主に研究成果発表のための旅費、論文作成時の英文校正の費用、ソフトウェアベンダーからのテクニカルサポートの費用に充てることを計画している。
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Research Products
(3 results)