2021 Fiscal Year Research-status Report
メラトニン徐放性連通多孔体アパタイトー骨芽細胞複合体の骨形成能に関する研究
Project/Area Number |
21K17009
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
室積 博 広島大学, 医系科学研究科(歯), 専門研究員 (10881295)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メラトニン / miRNA / 骨再生 / 連通多孔体ハイドロキシアパタイト |
Outline of Annual Research Achievements |
メラトニンは概日リズムを調節する松果体ホルモンであり、骨代謝の調節にも関与する事が報告されている。これまで我々は、メラトニンがin vitroにてマウス骨芽細胞の石灰化能の亢進に関与する事を明らかとした。さらに、ヒト顎骨由来骨芽細胞において、メラトニンにより誘導されるmiR-181c-5pはNotch2を標的遺伝子とし、Notch2の転写を抑制する事によりRunx2の発現を促進させ、その結果ヒト顎骨由来骨芽細胞の骨分化が促進される事を明らかとした。本研究では、これまでの研究をさらに発展させ、メラトニン徐放性の連通多孔体ハイドロキシアパタイト(Interconnected Porous Hydroxyapatite Ceramics:IP-CHA)を作成し、その有用性についてin vitroにて検討を行うこととした。さらに、メラトニン徐放性の連通多孔体ハイドロキシアパタイト及び骨芽細胞の複合体を作成し、in vivoにおける骨伝導能について検討を行うこととした。 2021年度は、濃度調整したメラトニン溶液にIP-CHAを浸漬させメラトニン含有IP-CHAを作成し、メラトニン徐放能を検討した。1μM濃度のメラトニン溶液に浸漬したIP-CHAにおいて、4日目では31.5ng/ml、8日目では32.8ng/ml、12日目では6.2ng/ml、16日目では1.5ng/mlのメラトニンの徐放を認めた。20日目ではメラトニンの徐放は確認されなかった。10μM濃度のメラトニン溶液に浸漬したIP-CHAにおいて、4日目、8日目ではメラトニンの濃度測定は困難であったが、12日目では522.4ng/ml、16日目では405.3ng/ml、20日目では112.4ng/ml、24日目では30.5ng/ml、28日目では5.3ng/mlと、高濃度のメラトニンが長期間放出されることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、濃度調整したメラトニン溶液にIP-CHAを浸漬させメラトニン含有IP-CHAを作成しており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
メラトニン含有IP-CHAへのヒト顎骨由来骨芽細胞の導入・ヒト顎骨由来骨芽細胞のmiRNA発現の解析・miRNAによるヒト顎骨由来骨芽細胞の分化制御機構の解析を予定している。
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