2023 Fiscal Year Annual Research Report
骨免疫学的アプローチによるインプラント周囲炎の新規治療法の基礎的研究
Project/Area Number |
21K17012
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
濱田 勇人 東京医科大学, 医学部, 講師 (10421067)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インプラント周囲炎 / 骨免疫 / セマフォリン / ジルコニア |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント治療は歯の欠損に対する治療法の選択肢として広く普及している。現在のインプラント体材料の主流はチタンとその合金であるが 、ジルコニアも チタンと類似したオッセオインテグレーションを獲得することが可能である。 インプラント治療後に発症する極めて難治性な併発症がインプラント周囲炎であり、インプラント体の耐食性悪化による金属イオンの溶出などが原因とされてい る。インプラント周囲炎組織内では、チタンイオンがT細胞に取り込まれRANKLの分泌を促進する。 最近骨代謝に おいて免疫系や神経系に関連した骨免疫タンパ ク質であるセマフォリンによっても骨代謝を制御されていることが発見され、セマフォリンが交感神経を介して骨芽細胞と破骨細胞を同時 に制御し骨量を増加 させている。 本研究の目的はインプラント周囲炎組織内のチタンとジルコニア溶出量と骨免疫タンパク質であるセマフォリンによる骨吸収との関連性について解明する研究で ある。 本研究はミニブタの下顎骨にチタンおよびジルコニアインプラント体を埋入し、インプラント周囲炎を発症させ、インプラント体周囲組織を採取する。 インプラ ント周囲炎組織内におけるチタン・ジルコニア溶出量をMALDI-TOFMSを用いて定量的に計測する。またインプラント周囲炎組織内に存在するセマフォリ ンの発現を遺伝子Chip分析、RT-PCR法および免疫染色法を用いて解析する。それらについて比較検討を行いインプラント周囲炎おける骨吸収が金属イオン溶出に よってセマフォリンの分泌がどのように変化しているかを解析する。 2023年度はミニブタのインプラント周囲炎モデルより組織を採取した。
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