2021 Fiscal Year Research-status Report
2型糖尿病患者における歯髄幹細胞の細胞特性の検討と骨再生療法の確立
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21K17013
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
宮本 範子 (三宮範子) 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (70817460)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 2型糖尿病 / 歯髄幹細胞 / マイクアレイCGH / 骨芽細胞 / 骨分化誘導能 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】中高年者は2型糖尿病を有していることが多い。骨再生を必要とする2型糖尿患者の歯髄幹細胞において、健常者と同様の骨再生が可能か否かは不明である。臨床応用を目指すには、基礎疾患による幹細胞の安定性、品質保持について明らかにする必要があると考えた。そこで、2型糖尿患者の歯髄幹細胞能変化を解析し、2型糖尿病中高年者における歯髄幹細胞を用いた骨再生療法を確立することを目的とする。 【方法・結果】東京女子医科大学医学部倫理審査委員会の承認を得た後、Grontohsらの手法 (Gronthos et al. Proc Natl Acad Sci U.S.A. 2000) を用いて、まずはコントロール群となる40歳以上の健常者の抜去歯からヒト歯髄幹細胞を採取し、応募者の所属研究施設において、これまでに確立した培養法で単離・培養した。至適条件の検討を行い、継代が問題なく行えることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の出現による、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって、自宅待機や診察、診療の制限などがあった.細胞を操作する絶対的な研究時間が減少した。 また、糖尿病患者の生活歯(非感染)のエントリーがこれまでいなかったなどの影響により、歯髄幹細胞の同定と疾患に伴った細胞の特性を検討するに至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、2型糖尿病中高年者における歯髄幹細胞を用いた骨再生療法の確立に向け、まず、疾患に伴った細胞特性の検討を行い、マイクロアレイCGH解析による網羅的な組織内の遺伝子発現解析を行う。糖尿病患者由来、健常者由来の遺伝子発現様式の差異、分化に関与する標的遺伝子を確認し、分化系列特異的な解析を行う。歯髄幹細胞の経時的な機能維持について評価を行い、最終的には、応募者らが既に確立している細胞シート移植法を用いて、糖尿病マウスの頭頂骨臨界骨欠損モデルにヒト歯髄幹細胞由来の骨芽細胞の骨再生誘導の確認と評価を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の出現による、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって、すべての学会がWEB開催となった。そのため旅費が加算されていない。次年度以降の学会参加費等に充当する。
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