2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of isotropic fiber reinforced resin containing siliconcarbide long and short fiber.
Project/Area Number |
21K17019
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高 昇将 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00846082)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CIELab / 繊維強化型レジン / 色調評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、既存の歯科用修復材料として用いられているガラス繊維強化型レジンに代わる、シリコンカーバイド(SiC)繊維の短繊維と長繊維を用いた新規高分子材料(SiCFRP)の開発である。 今年度はSiCFRPの臨床応用のため、その色調評価を行った。SiCFRPはSiC繊維の色である黒色を呈する。臨床応用にあたり、黒色を遮蔽し歯冠色に近づける必要がある。そこで、現在臨床の現場において金属色を遮蔽するために使用されているオペークレジンを用いてSiCFRPの色の遮蔽について検討した。 オペークレジンとしてクリアフィル STオペーカー US(US)、比較対象として歯冠修復用のコンポジットレジンであるグレースフィル パテ OA3(OA3)を供し、先行研究を参考に、色調の基準となる標準色板をそれぞれ厚み2mmで製作した。色調の評価に用いた光源はD55とし、2°視野で、CIELabに基づきL*、a*、b*の値を計測し、標準色板と、SiCFRP上にオペークレジンを種々の厚みで配置した際の色調の差を算出した。色の差の有無の基準値は、色差1.5とした。結果、USでは厚みが0.2mmとなったところで色差が1.5を上回ったため、USを使用してSiCFRPの色調を遮蔽するには0.3mm以上の厚みが必要であることが示唆された。OA3では、標準色板の背景色を白と黒のそれぞれに設定した状態での色差が1.5を上回っていたため、黒色の遮蔽には厚みが2mm以上必要であることから臨床応用が難しいことが示唆された。 研究期間を通して、1)SiCFRPの機械的強度が高くなるSiC短繊維の長さは2mmであること、2)長繊維は短繊維より下部に配置したほうがSiCFRPの強度が高くなること、3)長繊維と短繊維の体積比は2:1であること、4)SiCFRPは臨床応用に耐えうる長期耐久性を持つこと、を解明した。
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