2023 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間葉系幹細胞をターゲットとした骨質改善治療法の開発
Project/Area Number |
21K17042
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
國友 由理 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (30837381)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 老化 / 骨髄 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
老化に伴う骨質の低下がインプラント治療の成績の低下の原因の1つであると考えられており,口腔インプラント治療における骨質改善を目的に多くの研究が行われきたが,未だ最良な見解は得られていない.申請者らは,トリプトファンがキヌレニン代謝経路を介して骨髄間葉系幹細胞の幹細胞性維持・促進に関与し,骨の創傷治癒を促進することを世界で初めて明らかにした.しかし,このトリプトファンがどのようなメカニズムで骨髄間葉系幹細胞の幹細胞性維持・促進に関わっているのか,未だ不明である.本研究では, トリプトファンの幹細胞性維持メカニズムを明らかにするとともに,骨髄由来間葉系幹細胞の老化制御メカニズムを解明することを目的としている. 2021,2022年度に,間葉系幹細胞の一つであるCAR細胞と呼ばれるCxcl12を強発現した細胞をCxcl12-GFPマウスの若齢マウスおよび老齢マウスの骨髄細胞からセルソーターを用いて単離した.そして.RNA-sequencingによる遺伝子発現の網羅的解析を行い,間葉系幹細胞の老化に関わる遺伝子およびその制御機構を明らかにするため,Gene Ontology解析およびPathway解析を実施してきた.そして,老化の原因が,間葉系幹細胞の質的変化であることを明らかにしてきた.2023年度は,上記の実験で抽出された老化に関わる遺伝子に関して機能解析を行い,いくつかの候補因子を抽出した.今後,これらの候補因子に関する詳細な解析を実施してく予定である.
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