2022 Fiscal Year Research-status Report
マウスにおける迷走神経を介した咀嚼動態の相違が糖代謝系に与える影響
Project/Area Number |
21K17046
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
菅 悠希 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (20803620)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 咀嚼 / レプチン / アディポネクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではマウスc57BL/6Jを用いて、咀嚼によるインスリン分泌における迷走神経の関係について、生化学的・組織学的に検討を行うことにより咀嚼による迷走神経を介したインスリン分泌メカニズムの検討を行う予定である。2年の研究期間で1. 健常マウスにおける迷走神経を介した咀嚼動態の相違が糖代謝に与える影響2. 糖尿病モデルマウスにおける迷走神経を介した咀嚼動態の相違が糖代謝系に与える影響を行う予定である。健常マウスを用いて咀嚼後の血清中のレプチン、ニューロペプチドYの測定を行ったところ、ニューロペプチドYで有意な差を認めたが(Mann-WhitneyのU検定、p<0.05)、レプチンで有意な差を認めなかった。令和4年度は糖尿病モデルマウスにおいて血糖値は咀嚼群で250.9±39.7 mg/dL,非咀嚼群で276.8±52.7 mg/dLであり、両群間に有意な差を認めなかった。血清中のアディポネクチン濃度は咀嚼群で73.3±35.7 pmol/L、非咀嚼群で104.2±53.9 pmol/Lであり、両群間に有意な差を認めなかった。血清中のレプチン濃度は,咀嚼群で5.94±3.07 ng/mL、非咀嚼群は10.90±3.21 ng/mLであり非咀嚼群で有意に高い値を示した(p < 0.05)。cChatは分析方法を再検討することとした。今後、cChatと組織学的な検討については新たな分析方法を確立し、実験を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では本研究では咀嚼が糖代謝系に与える影響について生化学的検討及び組織学的検討を行う。レプチン・ニューロペプチドY等のELISAを用いた検討は健常マウスに追加して糖尿病モデルマウスにおいても実施することができた。一方cChatは分析方法を再検討する必要があった。また、組織学的な検討についてはやや遅れている。学内の研究者に協力を依頼する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では咀嚼によるインスリン分泌における迷走神経の関係について、生化学的・組織学的に検討を行うことにより咀嚼による迷走神経を介したインスリン分泌メカニズムの検討を行う予定である。今年度は健常マウスに追加してモデルマウスにおいても同様の実験を行うことができた。しかしcChatと組織学的な検討については新たな分析方法を確立し、実験を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
他業務により研究に対するエフォートが下がってしまったため、研究期間延長の申し込みを行った。そのため、次年度使用額が生じた。延期した今年度中に予定された実験を行う予定である。
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