2021 Fiscal Year Research-status Report
マルチマテリアル造形による三次元物性カスタム化技術の確立と歯科補綴装置への応用
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21K17058
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
加嶋 祐佳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 日本学術振興会特別研究員 (70778977)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インクジェット式3Dプリンター |
Outline of Annual Research Achievements |
ストラタシス社のインクジェット式3Dプリンター(D5Dentajet)を用いて複数材料を様々な配合率で混合したデジタルマテリアルを製作した。続いて。造形後の試料の相対密度と精度分析から、各マテリアルに対する最適な造形パラメーターを決定した。続いて最適パラメーターを用い、複数の樹脂材料を混合した複合積層造形を行い、義歯特有の人工歯やレジン床部の色調を再現することに成功した。特に人工歯部において、従来用いられてきたRGD835VeroWhiteに加えてR245、G230、B212色を組み合わせることで歯科特有のA3やA2といった色調を再現することが可能となり、自然な歯冠色の再現に成功した。部位に応じて様々な材料の比率を細かくオーダーすることで、人工歯部とレジン床部の境界部も鮮明に同時造形することが可能となった。また、実際の義歯に則した形態のSTLファイルを製作後、積層造形を行い、審美性に問題ないことを確認した。今後、設計時のデータと最適重ね合わせによる評価で精度検証を行う予定である。続いて異種材料境界部における精査を行った。人工歯部とレジン床部の境界部におけるせん断試験を行い、材料の接着強度の評価を行った。接着強度は既存材料より低かったため、今後材料の強度向上を目指し、使用材料の配合率等を変化させていく予定である。さらに、審美性に配慮しつつ界面の一部を鋸歯状にした設計や配合比を段階的調整した設計での実験を追加し、接着強度の向上を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、コロナウイルスの蔓延により東京都では緊急事態宣言が出された期間もあり、他研究機関への出張が行いづらい環境下ではあったが、zoomを用いた研究の打ち合わせを積極的に行い、インクジェット式3Dプリンターを用いて無事義歯の積層造形を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
義歯床と人工歯の異種材料間の接着強度は既存材料より低かったため、今後材料の強度向上を目指し、使用材料の配合率等を変化させていく予定である。さらに、審美性に配慮しつつ界面の一部を鋸歯状にした設計や配合比を段階的調整した設計での実験を追加し、接着強度の向上を試みる。
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Causes of Carryover |
コロナ蔓延のため国内出張が難しい時期があった。次年度の造形や粉末開発費用に使用する計画である。
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