2022 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞スフェロイドのサイズ制御と小分子化合物を応用した新規骨再生技術の開発
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21K17064
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松岡 秀 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (60845957)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 再生医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今のインプラント治療の普及に伴い,安全かつ確実に骨欠損を再生する骨造成技術が求められている.近年,個々の患者から作製可能なiPS細胞を骨再生医療 に応用するべく研究がなされているが,iPS細胞を安全かつ確実に分化誘導する方法はいまだ確立されていない.iPS細胞は三次元培養により作製されるスフェロ イドから細胞増殖ならびに目的細胞へ分化誘導を行うことが知られており,スフェロイドの大きさや形態の違いが分化効率や再現性,未分化状態維持に影響を及ぼす可能性が示唆されている.また,申請者らはこれまで独自のスクリーニングシステムにより,細胞分化を促進する小分子化合物としてPKC inhibitorである iso-H-7を見出した.そこで,本研究の目的は iPS細胞スフェロイドのサイズ制御を行い,これにiso-H-7を応用した新たな分化誘導方法を用いることによって, iPS細胞を応用した新たな骨再生技術を開発することである. 令和4年度は, 空間形状が付与された丸底プレート(Elplasia,Corning)を用いてマウスiPS細胞スフェロイドを作製し, ヒストグラムを用いた画像を用いたスフェロイドの面積計算,およびHE染色,TEM画像観察,live and dead染色,TUNEL染色による内部構造の観察を行なった. サイズ計測の結果,単層培養と比較して,マイクロウェルプレートは均一なスフェロイドの作製が可能であることが明らかとなった.内部構造観察の結果,最もサイズの大きい700CSは内部に細胞の溶解を示唆したアポトーシスによる死細胞を含んだ2層構造となっており,700CS内部のアポトーシス細胞は100CS,400CSと比較して有意に広範囲であった(P <0.001).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マイクロウェルプレートで作製した異なるサイズのiPS細胞スフェロイドの,骨芽細胞分化および骨組織への自己組織化能の検討がまだ行えていないため.
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Strategy for Future Research Activity |
iPS細胞スフェロイドの骨芽細胞分化および骨組織への自己組織能の検討に重点を置き,その後iso-H-7がiPS細胞スフェロイドに及ぼす影響を検討していく予定.
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Causes of Carryover |
マイクロウェルプレートを使用したIPS細胞スフェロイドの骨細胞分化および骨組織への自己組織化の検討がすすんでおらず,それに伴う試薬や物品等の予算が執行できていないため.また,新型コロナウィルスの影響で海外の学会等にはいまだ参加できていないため.
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