2023 Fiscal Year Research-status Report
アルツハイマーモデルマウスを用いた咬合支持の欠如によるアミロイドβ沈着の変化
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21K17065
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村上 明日香 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (80885426)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アミロイドβ / 咬合支持 |
Outline of Annual Research Achievements |
アミロイドβ(Aβ)沈着によるアミロイド班の形成・沈着がアルツハイマー型認知症(AD)の初期病変であると考えられている。動物実験では咬合支持の欠如と神経細胞脱落の関連が報告され,咬合支持の欠如が認知症発症の疫学的危険因子であると考えられているが,海馬におけるAβタンパク質濃度の変化やアミロイド斑の沈着については統一した見解が得られていない。これは健常なげっ歯類ではアミロイド斑が沈着しにくいことや,ADモデルマウスとして頻用されるアミロイド前駆体タンパク質(amyloid-beta precursor protein,APP)過剰発現マウスではAβ以外に過剰な断片が産生されてアミロイド斑沈着状態がAD患者と近似しないといった実験動物の選択に大きな問題があると考えられる。 申請者の研究により有用なADモデルマウスとして開発されたAPPノックインマウスの認知機能が抜歯により低下することを明らかにした。またAPPノックインマウスから採取された脳組織および血液を用いて、免疫組織化学染色によるAβ沈着およびELISAによるAβタンパク質量の解析を行ったところ、抜歯群と非抜歯群とで有意差がなかったという結果が得られた。これにより、抜歯による咬合支持の欠如に起因した認知機能の低下は明らかであるが、そのメカニズムはADとは異なる別の経路が関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
APPノックインマウスから採取した脳組織および血液を用いて、免疫組織化学染色によるAβ沈着およびELISAによるAβタンパク質量の変化についての解析など、当初の予定通りに施行された
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Strategy for Future Research Activity |
ADの病態として、Aβ沈着による神経細胞脱落から認知機能低下が生じるというアミロイド仮説が有力であるが、一方で、タウ仮説等、別の経路が関与する可能 性についても報告されている。本研究の結果から、咬合支持の欠落によって神経細胞の脱落は生じたが、Aβ沈着には変化がみられなかった。このことから、咬 合支持の欠如に起因する認知機能の低下に、Aβ沈着ではなく咬合支持の欠如による咀嚼求心性刺激の減少や、タウ仮説等の他の経路が働き生じた可能性が考え られる。このメカニズムについて詳細に検討を進める。
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Causes of Carryover |
当初予定通りに計画を遂行したが、想定よりは試薬等を安価に抑えることができたため次年度使用額が生じた。差額分は令和6年度の解析費用に充てる予定である。
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