2023 Fiscal Year Research-status Report
滑走運動経路と咀嚼運動経路の差に基づくCAD/CAM冠咬合面形態の臨床的検討
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21K17067
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大川 敏永 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (40726006)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔内スキャナ / CAD/CAM / Digital Dentistry / バーチャルFGP / 機能運動面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,これまでに得られた知見を基礎として,更なるCAD/CAM冠の長期経過および適応拡大のために,患者に装着された大臼歯CAD/CAM冠の装着前と一定期間装着後を口腔内スキャナで撮影し,実際に咬耗・摩耗する部位を定量評価し,科学的根拠に基づいた咬合面形態の指標を構築することにある,として,研究を行っている. 研究手法・計画は2段階に分かれている.①口腔内スキャナの精度検定,②大臼歯CAD/CAM冠の咬耗・摩耗量の測定,とし,現在,第1段階である,①口腔内スキャナの精度検定を終了,数例の大臼歯CAD/CAM冠の継時的定量評価途中である. 第一段階である,①口腔内スキャナの精度検定については,十分な精度を有していることを過去にて報告している,工業用3次元形状計測器(ミツトヨFN503)および歯科用CAD/CAMシステム(KaVo ARCTICA)と比較した.当講座が所有する口腔内スキャナ(MEDIT Coex i500)は,それらに比肩する良好な精度があることを確認することができた.本内容について,昨年度の学会にて発表した.現在,当該データをまとめ,論文執筆中であり投稿予定である. 第2段階である②大臼歯CAD/CAM冠の咬耗・摩耗量の測定については,現在,保険適用分の第一大臼歯CAD/CAM冠補綴終了症例が3件あり,うち2件はデータ採取まで完了,解析途中である.1件は継時的な経過観察途中にあるため,データ収集途中である.しかしながら,想定よりも第一大臼歯CAD冠症例が少ない状況である.引き続き,該当する症例を集める予定であり,延長を検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
口腔内スキャナの精度検定については完了している.学会で発表終了し,論文執筆中にある. 大臼歯CAD/CAM冠の咬耗・摩耗量の測定について,予想よりもはるかに少ない症例数であるため,データ量が乏しく十分な検討が難しい状況にある.引き続き,該当する症例を集め,データ解析を継続する予定である. 以上のことから,本研究の進捗状況は遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
口腔内スキャナの精度検定に関して得られたデータをまとめた論文を執筆中,投稿予定である. CAD/CAM冠の咬耗・摩耗量の測定について,現在2例でデータ解析中,1例でデータ収集中である.しかしながら,想定よりも第一大臼歯CAD冠症例が少ない状況である.引き続き,該当する症例を集める予定である.さらに,小臼歯の補綴症例についてもデータ収集の追加を検討する,
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Causes of Carryover |
(理由) 予定していた大臼歯CAD冠の評価について,進捗に遅れがあるため次年度に実施することになり,次年度使用額が生じた. (使用計画) 大臼歯CAD冠の評価に要するCADソフトウェアや顎運動測定機器等のハードウェアについて,本年度経費と合わせて使用する予定である.
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