2021 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の栄養状態と口腔機能の関連およびリハビリテーション指導の効果の検討
Project/Area Number |
21K17073
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
太田 緑 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (70755008)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 口腔機能 / 高齢者 / 栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、高齢者の低栄養が問題になっており、低栄養状態が続くと健康維持に必要な栄養素 が不足するため、さらなる体調不良を引き起こすと言われている。栄養状態を改善することが疾病の重症化や入院期間の長期化を防ぐと考えられる。高齢者の低栄養の原因の1つに口腔機能の低下が挙げられるが、様々な口腔機能のうちどの機能がもっとも高齢者の栄養状態の低下に関連するのかは明らかではない。どの口腔機能が栄養状態に関連するのかが明らかになれば、それらの機能低下に対しリハビリテーションを行い、効率的に栄養状態を改善できる。本研究の目的は、栄養状態の低下にもっとも関連する口腔機能を明らかにすることである。加えて本研究では、自立高齢者に対し口腔リハビリテーション指導および管理栄養士と連携した栄養指導を実施し、栄養状態改善の効果を明らかにすることを目的としている。 初年度は、倫理審査委員会の申請・承認手続きののち、学内における研究フローの作成を行った。また、管理栄養士の協力のもと、患者に対する栄養指導の方法や患者説明用資料の作成を行った。研究開始にあたり体成分分析装置InBodyの購入が必須であったが、初年度の交付額が申請額より少なかったため、研究費の前倒し申請が必要となり購入時期が遅くなった。これにより初年度の予定計測人数より下回ったが、順次計測を行っているところである。また、50名計測が終了した段階で高齢者の栄養状態に関連する因子について検討を行い、どの因子を最終的な分析に用いるのかを決定する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は学内倫理審査委員会への申請、必要機器の購入および大学病院における研究費での採血などの研究実施フローを作成した。 初年度の研究費申請額に対して交付額が少なかったため、初年度の交付額のみでは栄養状態の評価に必要な体成分分析装置InBodyの購入ができなかった。そのため、次年度以降の研究費の前倒し申請を行うことで対応したが、前倒し申請の時期が限られているため体組成計の購入が遅くなり、計画通りの計測を行うことができなかった。また、研究としての採血(研究費での採血)などのフローを作成する必要があり、関係部署との調整に時間がかかった。一方、被験者の確保は開始しているため、2022年度は計測を順調に開始できると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究準備は完了し、計測を開始している。昨年度から研究被験者の確保を行っているため、2022年度は予定通りの人数を分析できると考えている。また、栄養評価以外はすでに30名の計測を終了しており、栄養評価を順次行っていく予定である。 以上の計測、分析が終了した後は、高齢者の栄養状態に最も影響を及ぼす口腔機能因子の検討を行っていく。 65歳以上の外来患者100名を対象に、口腔機能精密検査および栄養評価を行い、7つの口腔機能の中で栄養状態にもっとも影響を及ぼす口腔機能を明らかにする。2021年度の結果に基づいて、口腔機能以外で栄養状態に大きく関連のある因子をもつ被験者は除外する。抽出された口腔機能に対する口腔リハビリテーション指導の内容についてマニュアルを作成し、2023年度以降における口腔機能管理計画策定の土台とする。
|
Causes of Carryover |
計画より遅れているため、消耗品の購入が少なかったため次年度使用額が生じた。2022年度に計測を行うため、消耗品費として使用する予定である。
|