2021 Fiscal Year Research-status Report
新規チェルビズムモデルマウスの確立と顎骨病変の発症メカニズムの解明
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21K17098
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
藤居 泰行 東京医科大学, 医学部, 助教 (90829748)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遺伝性骨系統疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
チェルビズム(CBM)は両側性に生じる顎骨の膨隆と炎症性骨破壊を特徴とする遺伝性骨系統疾患であり、Src Homology3 Domain-Binding Protein2(SH3BP2; マウスオーソログ遺伝子Sh3bp2)遺伝子のGain-of-function変異の関与が報告されている。しかしながら、CBMモデルマウスであるSh3bp2KI/KIマウスはCBMの最大の特徴である自発的な顎骨膨隆をきたすことはない。本研究では、病原体関連分子パターン(PAMPs)を顎骨に限局して導入するため、右側下顎第一大臼歯を歯科用ラウンドバーで露髄処理を行い、発症までの時間と発症部位に関して再現性が得られるSh3bp2KI/KIマウスを用いた新規CBMモデルを作製した。さらに、PAMPsとDAMPsの代表的な受容体であるTlr2/Tlr4ダブルノックアウト(KO)Sh3bp2KIマウスの作製を行った。レントゲン画像、マイクロCT画像にて、顎骨膨隆の確認と定量を行った。Sh3bp2KI/KIマウスは露髄後14日で、Sh3bp2+/KIでは露髄後42日で顎骨膨隆を認めた。
さらに、このモデルの解析を行うため、顎骨からRNAを抽出したところ、各種サイトカインの発現の上昇を患側のみならず、健側でも認めた。また、組織免疫染色にてSh3bp2KI/KIマウスでは好中球の集積と好中球の免疫機能であるNETsの代用マーカーであるmyeloperoxidaseとneutrophil elastaseの発現の上昇を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
モデルマウスの作製を予定より早く行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
作製した顎骨膨隆マウスモデルの詳細な解析を行い、顎骨膨隆の発症メカニズムに関与する好中球関連イベントやサイトカインの同定を行う予定である。
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Causes of Carryover |
サイトカインの発現を免疫染色やELISA法で検証するために、抗体やELISAキットの購入を予定している。
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Research Products
(1 results)