2021 Fiscal Year Research-status Report
磁性造影剤を用いたMRLによる口腔癌センチネルリンパ節の同定と転移の検索
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21K17118
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
杉山 聡美 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学三田病院, 医員 (90880211)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔癌 / センチネルリンパ節 / 磁気法 / RI法 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌ではリンパ節転移の有無が予後因子となるためその制御は極めて重要であり,早期かつ低侵襲に正確な頸部リンパ節転移の診断を行う必要がある. 申請者はCT lymphographyとインドシアニングリーン蛍光法による新しいセンチネルリンパ節生検を確立してきたが,ヨードアレルギー,喘息や腎機能障害のある患者には造影剤が投与できない.また,CTを繰り返し撮影するため,放射線被曝の問題もある. そこで,磁性造影剤とMRIによる磁気法に着目した.本研究では,早期口腔癌症例に対して磁気法とラジオアイソトープ(RI)法によるセンチネルリンパ節生検の非劣性試験を行うことで,新しい磁気法によるセンチネルリンパ節生検の有効性を検証する. RI法に比べて非劣勢であることを証明できれば,本法は多くの施設で実施可能となり,口腔癌患者のQOLの向上や予後の改善が期待できると考えられる. 具体的には「頸部リンパ節転移を伴わない早期口腔癌患者に対して,放射線被曝のない新しい革新的なセンチネルリンパ節生検を実現するために,磁性造影剤を用いたMR Lymphography(MRL)によるセンチネルリンパ節の同定法を確立すること」および「磁性造影剤のリンパ節への流入パターンにより,早期転移診断が可能かどうか検討すること」を本研究の目的とした.前者では磁性造影剤を局所投与し,後者では静脈内投与する予定である.とくにMRLおよびMRIは,造影剤と撮影料以外の費用は要せず,当院で稼働しているMRIでの撮像が可能であるため,本研究により頸部のセンチネルリンパ節の描出やリンパ節転移の早期診断が可能となれば,多くの施設でヨード造影剤を使用しない診断法として普及すると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年に異動となり,研究環境の変化があった.また,本研究は特定臨床研究として実施する必要があり,倫理承認のための準備を行なっている.
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Strategy for Future Research Activity |
「頸部リンパ節転移を伴わない早期口腔癌患者に対して,放射線被曝のない新しい革新的なセンチネルリンパ節生検を実現するために,磁性造影剤を用いたMR Lymphography(MRL)によるセンチネルリンパ節の同定法を確立すること」および「磁性造影剤のリンパ節への流入パターンにより,早期転移診断が可能かどうか検討すること」を本研究の目的とした.特定臨床研究として研究の実施ができるよう,倫理審査会へむけて書類の作成などを実施している.勤務している院内では特定臨床研究の事例が少ないため,関係各所との連携をおこなう必要がある. 研究の方針については,まず静脈内投与する後者の研究を先行して進める予定である.造影CTが撮影された口腔癌患者20例に対して磁性造影剤を用いたMRIを撮影する.造影MRI検査による転移リンパ節の診断結果を造影CT検査での診断結果と比較し,造影CT検査と少なくとも同等の転移リンパ節診断が可能かを検証する.
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Causes of Carryover |
特定臨床研究の倫理委員会での承認までに時間を要していること,コロナ感染症の蔓延に伴い,学会出張ができなかったため,次年度使用額が生じた. 今後研究が推進可能となった時点で,各種薬剤や撮影にかかる費用を負担する方針である.
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