2021 Fiscal Year Research-status Report
The role of BMP-3b in the bone metastatic niche with breast cancer
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21K17119
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
柳沼 樹 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60845064)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳がん / TGF-β / GDF-10 / BMP-3b |
Outline of Annual Research Achievements |
日本において乳がんは増加傾向にあり、2018年には死亡数14285人と女性の30-64歳では死亡原因のトップであるほど身近な病気である。骨転移が多い乳がん患者は、骨関連有害事象を予防するためBP製剤を含む骨吸収抑制薬を使用する。しかし、この骨吸収抑制薬による顎骨壊死がわれわれ歯科領域では問題となる。そのため、乳がんの骨転移のメカニズムを明らかにし,骨転移を制御することが顎骨壊死の発生を減らすことに繋がる。一方、BMP-3bはTGF-βスーパーファミリーに属するサイトカインであり、肺がんなど様々ながんとの関連が報告されている。しかし、乳がんとBMP-3bの関連に注目した研究は皆無であり、予備的に乳がん患者のデータベース解析を行ったところ、BMP-3bの発現が高い患者において生存率が有意に高いことが明らかになった。そこで本研究では乳がん細胞の細胞増殖、移動能へのBMP-3bの関与を検討した。 BMP-3b刺激を行い乳がん細胞株4T1およびMCF-7を用いてWound Healing assayで細胞移動能を、WST-8細胞増殖アッセイで細胞増殖能を評価した。また、BMP-3b刺激後48時間の乳がん細胞のタンパク質を回収し、ウェスタンブロット法にて上皮性質を評価した。 4T1、MCF-7においてBMP-3b刺激を行うと、細胞の移動および増殖能の低下がみられた。また、タンパクレベルではBMP-3b刺激によって乳がん細胞はE-cadherinの発現上昇、Vimentinの発現減少を認めた。 BMP-3bは、乳がん細胞の細胞増殖、移動能を抑制させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
BMP-3bがリコンビナント,トランスフェクションによるBMP-3bの過剰発現,過剰発現細胞のコンディションメディウムで観察できる作用が異なり,解釈に時間がかかってしまったため.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は最終年度になるために,BMP-3b過剰発現細胞を骨髄内に播種する実験を成功させ,できる限り早く論文を投稿する.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、新型コロナウイルスの影響で物品の納品の遅延があげられる。 使用計画としては、今年度からのin vivo実験を行うための必要な実験費、新型コロナウイルスが落ち着くのであれば学会参加費等に使用予定。
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Research Products
(4 results)