2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of orthognathic surgery assisted system with combined guide modeling technology and intraoperative holography.
Project/Area Number |
21K17123
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
小谷地 雅秀 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (90875692)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Mixed Reality / CAD/CAM / orthognathic surgery / head mounted display / Image-guided surgery / Extended Reality |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは顎矯正手術にCAD/CAM技術と複合現実Mixed Reality技術を搭載したヘッドマウントディスプレイをナビゲーションとして応用し3次元的再現性を検討してきた。具体的には、3Dデバイスと術前ヴァーチャルオペレーションを術野に投影し手術を行うことで、顎矯正手術に求められるマイクロメートルオーダーの高精度手術を目指した。以上より、術者の技術や経験の差に依存しない普遍的で、高い精度と安全性のある新規手術支援システムを確立し、手術時間の短縮と出血などの合併症リスク減少を実現することを目的とした。 2021年度は顎変形症の診断下に本システムを適応しLe Fort1型骨切り術を行った18症例についてその精度を検討した。術後の精度検証は解析ソフト(Gom Inspect(GOM社製))で行い評価は術前のヴァーチャルオペレーションデータ(Tv)と術後1か月のCTデータ(T1)を解析ソフトGom Inspect(GOM社製)で比較した。評価方法はTvとT1の骨表面の誤差を計測した3D surface analysisとA点、ANS、PNS、上顎中切歯根尖中央、両側犬歯根尖、両側第一大臼歯根尖を評価点とし、点ごとの誤差を計測したPoint based analysisを行った。3D surface analysisの結果は79.9~97.1%で平均誤差は90.3%であった。これは過去の手術ナビゲーションやカスタムメイド金属プレートを用いてLe Fort1型骨切り術を行った症例と比較しても高精度で手術が行えたことを示した。また、Point based analysisの結果ではTvとT1を比較した際の有意差は認めなかったことから術前の計画通りに手術が行え、その再現性が高く行えたことを示している。本研究成果はInternational Journal of Oral and Maxillofacial surgeryに掲載された(Koyachi et al : Accuracy of Le Fort I osteotomy with combined computer-aided design/computer-aided manufacturing technology and mixed reality)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を18例に適応した論文はInternational Journal of Oral and Maxillofacial surgeryに掲載された(Koyachi et al : Accuracy of Le Fort I osteotomy with combined computer-aided design/computer-aided manufacturing technology and mixed reality)。具体的には当初の計画で示したGom Inspect(GOM社製)による術前ヴァーチャルオペレーションと術後CTのデータの重ね合わせや評価時の基準平面の設定を予定通り行えた。また、精度検証方法であるpoint data analysisおよび表面偏差についても確立した。 マーカーについては現在開発中であり、計画書に記載したようにマーカーの形状を改善し精度向上が必要であり、具体的にはホログラム認識向上のためにマーカーを様々な大きさおよび形状(4面体・6面体・8面体)での設計を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
本申請では50例を目標とし研究を進めているが現在30例程度で本システムの適応が行えている。今後は症例数を増やすとともに手術時間の短縮、出血量や神経障害などについての評価も行っていく予定である。また、過去の報告では表面偏差の誤差の範囲は2mm以下であれば高精度とされてきたが、本研究では1mm以下の誤差範囲内を目標としているためさらなる精度向上を目指す必要がある。特にホログラムと術野を重ね合わせるためのマーカーについては本システムにおける手術精度の根幹となる部分であるため新規重ね合わせマーカーの開発と精度検証を行っていく。 マーカーの形態については現在正方形の2面体で1辺が10cmのもので行っているが、マーカー精度の向上および手術時の操作性を向上するため新規マーカーの開発を目的とした基礎実験を現在行っている。その成果は2022年11月4日~11月6日に行われる日本口腔外科学会総会・学術大会で発表予定であり、Quantitative Imaging in Medicine and Surgeryに投稿予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により海外および国内への学会出張が中止となり、旅費として計上していた費用が使用できなかったことによる。コロナ禍の規制が緩和されてきた2022年度は6月29日~7月2日にドイツのドレスデンで行われる第72回ドイツ口腔顎顔面外科学会(72nd DGMKG Congress)の日独セッションでInnovation of Medical Digital Transformation in Oral and Maxillofacial Surgery-CAD / CAM, Extended Reality, Medical Metaverse -という内容でシンポジストとして発表予定のためその際に必要となる旅費として計上予定である。 また、新規重ね合わせ用マーカーの開発を現在行っており、マーカーの形状や個数などの開発段階まで到達しているが、基礎実験がやや遅延しており随時行っていく予定である。その際発生する3Dマーカー開発・造形費、3Dモデル造形費に使用予定である。
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