2023 Fiscal Year Annual Research Report
プリン作動性シグナルを介した新たな骨リモデリング促進機構の解明
Project/Area Number |
21K17152
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宍戸 香 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (60894053)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ATP |
Outline of Annual Research Achievements |
矯正歯科治療では矯正力を負荷することで歯根膜が圧縮力と伸展力の2種類の機械的刺激が付与され、歯根膜が機械的刺激として感知し、歯槽骨リモデリングが 行われる。歯根膜細胞は機械的刺激を感知し、adenosine triphosphate(ATP) を細胞外へ放出する。細胞外ATPやその分解産物であるアデノシンはプリン受容体 を介して骨吸収や骨形成を誘導することが示唆されている。細胞外ATPは、CD39(ATP分解酵素)によりadenosine monophosphate(AMP)へと分解され、AMPはCD73に よりアデノシンへと分解される。ATPはP2プリン受容体、アデノシンはP1プリン受容体を介してシグナルを伝達する。細胞外ATPは、P2プリン受容体を介して、骨 形成への関与が示唆されている。矯正歯科治療における歯槽骨リモデリングは骨吸収と骨形成の調和が重要であるが、プリン受容体がどのように関与しているか は知られていない。本研究では、歯周組織におけるプリン作動性シグナル関連分子の発現と機械的刺激に伴う変化を解析するとともに、ATPおよびアデノシン受容体の骨形成・骨吸収への影響と相互作用を解明する。これにより、矯正歯科治療における歯槽骨リモデリングを活性化する新たなターゲットの発見を目的とする。当該年度は、歯の移動に伴い、マウスの歯周組織におけるCD39, CD73発現が影響がでるかを検討した。免疫染色およびフローサイトメトリー解析により、歯肉において、CD39およ びCD73発現の上昇が確認できた。また、マウスの歯周組織を回収し、正常状態において免疫染色にてCD39およびCD73の発現を確認できた。
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