2021 Fiscal Year Research-status Report
Zr基金属ガラスを用いた新素材歯科矯正用アンカースクリューの開発
Project/Area Number |
21K17153
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 周太郎 東北大学, 歯学研究科, 非常勤講師 (90828576)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯科矯正用アンカースクリュー / 骨形成 / 機械的特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
補助事業期間中の研究実施計画に基づき、以下の項目を行った。 ①ビーグル犬顎骨内における安定性の評価として、トルクゲージを用いた歯科矯正用アンカースクリュー埋入時の埋入トルク値、および埋入8週後の撤去トルク値、動揺度測定装置Periotest を用いた埋入時から埋入8週後まで2週間毎のスクリューの動揺度を計測した。また、スクリュー埋入後にデンタルX線写真を撮影し、スクリューの歯根との近接、スクリューの直径、およびスクリューの脱落率、荷重の有無ととの間の関係性を評価した。 ②血中含有元素の計測(生体毒性の評価)として、埋入前、埋入8週後、24週後時点でビーグル犬の後足伏在静脈から血液を採取し、ICP質量分析(ICP-MS) による血液中の含有元素濃度の測定を行なった。測定元素として、金属ガラスおよびTi-6Al-4Vの組成である、アルミニウム、ニッケル、銅、バナジウム、ジルコ二ウムとチタンの含有量を計測し、長期間埋入における生体毒性の評価を行なった。 ③組織学的評価(骨形態計測による評価)として、実験期間終了後、トレフィンバーにより、歯科矯正用アンカースクリュー周囲の組織に囲まれた骨ブロック体を摘出し、樹脂包埋後、組織切片を作製し、実験中にカルセイングリーンおよびテトラサイクリンを用いて生体染色した切片からmineral appositional rate およびbone formation rateを計測し、各スクリューにおける周囲骨の骨形成速度の違いを評価した。続いて切片をビラヌエバ骨染色液により染色し、bone-to-implant contactとbone areaを計測し、各スクリューにおける周囲の骨形成度の違いを評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究実施計画に照らして、スクリュー周囲骨の遺伝子発現の評価が終了していないが、概ね予定していた程度の進捗状況であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
予定していた研究実施計画に基づき、以下の内容を行う予定である。 ①スクリュー周囲骨の遺伝子発現の評価として、トレフィンバーを用いてスクリュー周囲骨を採取し、total RNAを抽出し、cDNA を合成した後、リアルタイム PCR にて、骨形成マーカーおよび骨吸収マーカーについて遺伝子発現を定量的に評価する。 ②組織学的評価(骨形態計測による評価)として、実験期間終了後、トレフィンバーにより、歯科矯正用アンカースクリュー周囲の組織に囲まれた骨ブロック体を摘出し、樹脂包埋後、組織切片を作製し、実験中にカルセイングリーンおよびテトラサイクリンを用いて生体染色した切片からmineral appositional rate およびbone formation rateを計測し、各スクリューにおける周囲骨の骨形成速度の違いを評価する。続いて切片をビラヌエバ骨染色液により染色し、bone-to-implant contactとbone areaを計測し、各スクリューにおける周囲の骨形成度の違いを評価する。 ③実験前後のスクリューの表面構造の評価として、実験前後の歯科矯正用アンカースクリュー表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影し、スクリュー刃部の表面性状、エッジ部の形態、ピッチ間距離などの表面構造の変化を観察する。 ④引張り試験、ねじり曲げ試験による機械的特性の評価として、JISーT 0311「金属製骨ねじの機械的試験方法」を参考に、各種歯科矯正用アンカースクリューに対して引張り試験、ねじり曲げ試験を行い機械的特性を評価する。
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Causes of Carryover |
当初の予定では令和3年度内に、スクリュー周囲骨の遺伝子発現の評価として、トレフィンバーを用いてスクリュー周囲骨を採取し、total RNAを抽出し、cDNA を合成した後、リアルタイム PCR にて、骨形成マーカーおよび骨吸収マーカーについて遺伝子発現を定量的に評価する予定であった。しかし、実験の進行が遅れ、令和4年度に上記実験が変更となったため、実験に使用する試薬や器具の費用が次年度に持ち越しとなったため。
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