2021 Fiscal Year Research-status Report
骨再生効果を増強した組み替え成長因子による低侵襲性骨再生方法の開発
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21K17166
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
菊池 恵美子 (青松恵美子) 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (50733854)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / TGF-β / CTGF / 唇顎口蓋裂 / 成長因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
唇顎口蓋裂は胎生期における骨や粘膜の形成不全により生じる先天性疾患である。口蓋形成にはTGF-βやCTGFが重要な役割を担っていることが報告されている。TGF-βは細胞増殖、分化、遊走、浸潤、細胞外マトリックスの再構築など多くの役割を担っている成長因子であり、骨芽細胞の分化や増殖も制御している。一方、CTGFは血管新生、軟骨形成、腫瘍形成のほか骨形成にも関与している。CTGFノックアウトマウスは二次口蓋形成が不全となることから、CTGFは口蓋形成において重要な因子であると報告された。特に口蓋粘膜の形成にはTGF-βとCTGFの両者の関与が報告されているが、口蓋骨の形成や融合における両者の相互作用については明らかとなっていない。 本年度はTGF-βとCTGFの相互作用が間葉系幹細胞(MSC)の骨芽細胞分化においてどのような影響を与えるのかを検証した。最初にTGF-βとCTGFの相互作用が①骨芽細胞分化に与える影響を調査し、②細胞内シグナル伝達経路を同定することを目的とする。ヒト骨髄由来MSC株(UE7T-13細胞)をTGF-β、CTGFで単独または共処理し、RT-qPCR法にて骨芽細胞分化マーカー遺伝子のmRNA発現を調査した。Type I collagen、osteopontin、bone sialoproteinでTGF-βとCTGFの共処理によるmRNA発現の上昇が認められた。また、UE7T-13細胞をTGF-βとCTGFで共処理しシグナル経路に特異的な抗リン酸化抗体を用いたウェスタンブロットで検証した結果、p38 MAPKでリン酸化の増強が認められた。 以上の結果より、唇顎口蓋裂の患部へ両因子を作用させることで骨や粘膜形成を助長する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成長因子の作用をほぼ目的どおりに精査することができた。しかしながら、コロナ禍の影響でプラスチック製品の納入が著しく遅く,一部の実験では遅れがでている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降にTGF-β-CTGF融合タンパクの発現ベクターを構築する。細胞外分泌シグナルの付与されたプラスミドベクターp3xFLAG-CMV-8にTGF-βとCTGFのcDNAをそれぞれクローニング後、バイシストロン性ベクターpIRES2-AcGFP1にサブクローニングする(pTGF-β-CTGF-FLAG;GFP)。構築されたベクターはFLAGタグの付与された分泌性のTGF-β-CTGF融合タンパクを発現するとともに細胞内にGFPの蛍光を有するため、蛍光顕微鏡にて発現を確認する。本実験では遺伝子導入効率を精査するためにGFPバイシストロン性ベクターを用いる。遺伝子導入された細胞はターゲット因子を発現するとともに細胞質内にGFPを発現する。さらにTGF-β-CTGF融合タンパクの局在を免疫組織染色にて観察するために、FLAGタグを付加したTGF-β-CTGF-FLAG融合タンパクとして作製する。遺伝子導入された細胞はGFPの蛍光を発現し、融合タンパクの局在部位は抗FLAG抗体で検出することができる。 さらに、結合組織分化能におけるTGF-β-CTGF融合タンパクの効果を検証する。pTGF-β-CTGF-FLAG;GFPをMSCにリポフェクタミン、エレクトロポレーションにて導入する。フローサイトメトリーでGFPの蛍光をトレースして導入効率を検証する。アリザリン染色による石灰化能の評価や、リアルタイムPCRで骨ならびに軟組織の分化マーカーのmRNA発現を解析し、in vitroにおける結合組織分化促進効果を確認する。
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Causes of Carryover |
令和3年12月2日より産前産後の休暇又は育児休業が開始されたため。
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Research Products
(2 results)