2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of bone grafting using neural crest-derived stem cells in the maxillofacial region
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21K17168
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
吉田 寛 昭和大学, 歯学部, 助教 (20823074)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経堤由来幹細胞 / 遺伝子解析 / 口唇口蓋裂モデルマウス / 骨再生 / バイオリサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①「頭蓋顎顔面の神経堤由来細胞による骨芽細胞誘導」、②「頭蓋顎顔面の神経堤由来細胞による誘導骨組織形成」、③「誘導骨組織の物理化学的特性(骨質)の解析」、④「口蓋裂モデル動物への神経堤由来細胞移植」の4つに計画が分けられている。①②③についてはすでに研究が進んでおり、Biochemical Biophysical Research Communicationに2021年5月に掲載された(doi:10.1016/j.bbrc.2021.03.079.)。ただし現在までの研究成果では、マウス頭蓋骨を広範に欠損させた場合、12週間の経過であっても完全な修復を見込めておらず高効率な誘導骨組織の形成条件を検討しなければならない。 条件の検討には、種々のスキャフォールド(担体)に加え、因子(BMPやTGF-β)の選定が必要となる。一方で、今後の展開として予想される「顎裂部骨移植への応用」を踏まえた際に、腸骨に変わる細胞ソースとして安定した培養条件が必要であるため、神経堤由来細胞を採取・単離した際の細胞増殖についても検討が必要である。人体で応用される際には、鼻甲介や鼻粘膜から採取した神経堤由来細胞を、培養・保存することが想定されており、顎裂部骨移植を行うまでに年単位の培養・保存が必要である。 以上のことから、神経堤由来細胞の培養・保存条件の検討および高効率な誘導骨組織の形成条件の検討を行っている。 今後は、上記に加え研究計画であるDNAマイクロアレイ法で抽出した遺伝子解析を予定し、神経堤由来細胞の存在・非存在での比較を行うことで、既存の骨に再生骨芽近似する現象を解析し、抽出した候補遺伝子の役割をsiRNAなどの遺伝子発言制御実験を用いて解析していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Biochemical Biophysical Research Communicationへの掲載により成果を上げることができたが、論文作成が主なエフォートとなり、実験が進んでおらず研究計画を進めることができていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
鼻甲介からの神経堤由来細胞を採取・培養を行い、安定した細胞増殖を行うとともに、液性因子や担体の選定、移植実験による評価を行っていく。
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Causes of Carryover |
Biochemical Biophysical Research Communicationへの掲載により成果を上げることができたが、研究計画を進めることができていないため、物品費が大幅に削減された。2021年度の残金は、遅れている研究計画を進めるため、当初予定していた神経堤由来細胞の培養条件の検討に用いる試薬や、DNAマイクロアレイ法に使用する。
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