2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of bone grafting using neural crest-derived stem cells in the maxillofacial region
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21K17168
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
吉田 寛 昭和大学, 歯学部, 助教 (20823074)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経堤由来細胞 / 骨再生 / 口唇口蓋裂 / モデルマウス / バイオリサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、頭蓋顎顔面に多量に存在する神経堤由来細胞を用いた骨誘導法を確立することで、唇顎口蓋裂患者への顎裂部骨移植術の開発を行うことを目的としている。顎裂部骨移植術に頭蓋顎顔面領域の神経堤由来細胞を想定した骨誘導研究はこれまでに報告が無く、加えて本研究に用いる神経堤由来細胞の採取組織は、口唇口蓋裂治療の一連の流れの中で破棄される下鼻甲介から採取することができ、また細胞の十分な量の増殖も期待できる。 本研究で用いる頭蓋顎顔面由来神経堤由来細胞は、低侵襲かつ安全、豊富に採取でき、顎顔面の大半を構成する組織幹細胞群であり、患者自身から採取するため倫理的問題や免疫拒絶反応を回避できる点から、実現可能かつ理想的な細胞ソースと考えられる。 本研究では、マウス頭蓋骨へ人工的に骨欠損を作成し、欠損部へ神経堤由来細胞を含んだ担体を埋入し、12週間の経過観察を行った。結果として、神経堤由来細胞を含んだ担体をマウス頭蓋骨へ移植することによって、神経堤由来細胞を含まない担体をマウス頭蓋骨へ移植するよりも修復された骨が既存の骨と類似した性質を持つことを明らかにした。最終年度である2022年度においては、唇顎口蓋裂モデルマウスへの骨移植や、再生骨の遺伝学的解析を予定していたものの結果は振るわなかった。新たな条件設定を検討すべく、臨床的知見から手術法による顎骨への影響を検討したところ、ヒトが対象ではあるものの手術法によって顎骨への影響はほとんど認められないことを報告することができた。研究の成果においては、2021年にBiochemical and Biophysical Research Communicationsへ、2022年にThe Cleft palate-craniofacial journalへ論文が受理された。
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