2021 Fiscal Year Research-status Report
乳歯歯髄由来間葉系幹細胞エクソソームを応用した低侵襲性顎裂部閉鎖治療の確立
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21K17186
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
阿部 崇晴 広島大学, 病院(歯), 助教 (20806682)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エクソソーム / 培養上清 / SHED / DPSC / 骨再生 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
乳歯より単離培養した間葉系幹細胞(MSC)の培養上清から抽出したエクソソームをSHED-Exo、永久歯より単離したMSCの培養上清から単離したエクソソームをDPSC-Exoとし、実験に用いた。原子間力顕微鏡での観察により粒子径は50-100 nmであった。骨髄由来間葉系幹細胞(BMSC)にSHED-ExoおよびDPSC-Exoを添加すると、エクソソームを添加することにより、有意に細胞数の増加が認められた。また、骨分化誘導したBMSCにSHED-ExoおよびDPSC-Exoを添加し、アリザリンレッド染色により定量評価を行った。エクソソームの添加により、有意な骨分化が認められた。また、培養したBMSCにSHED-ExoおよびDPSC-Exoを添加したところ、エクソソームの添加により、有意なALPの遺伝子発現の増加が認められた。また、エクソソームに内包されるmiRNAについて調査したところ、miR1474AやmiR326といった制御遺伝子のほか、mir448やmiR451といった血管平滑筋細胞の遊走制御を行うmiRNAが検出された。現在、上記の内容を論文にまとめ投稿予定である。 また、SHEDにおけるCD146のもつ骨再生能について調査した研究では、CD146陽性細胞をマウス頭蓋に移植したところ、有意に広範囲での骨再生が認められた。本研究は”Effect of CD146 on Bone Regeneration by Transplantation of Stem Cells from Human Exfoliated Deciduous Teeth into Mouse Skull Defect”というタイトルでResearch Squareに掲載されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に関連した論文がアクセプトされている。エクソソームについての研究も概ね順調に進行しており、論文投稿を目指すところである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究での研究結果は概ね得られているが、追加で血管誘導やケモカインについての検討を加えてもよいと考えられる。また、エクソソームを動物に移植した実験も行う予定である。
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Causes of Carryover |
昨年はコロナによる出張の制限等もあり、出張費等が少ない状況であったため、僅かであるが、残額が生じた。次年度予算と合わせて適切に使用する。 使用計画としては、PCRのための試薬の購入、ELISAのためのキットの購入や、動物実験のためのマウスの購入費、餌代、飼育代、切片染色のための試薬代としての使用を計画している。 また、学会発表のための、出張費としても使用を計画している。
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Research Products
(2 results)