2023 Fiscal Year Research-status Report
Determination of optimal design of orthodontic appliances using artificial intelligence and simulation of long-term tooth movement
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21K17188
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
ヌエン アン・チュアン 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (60897338)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 人工知能 / 共分散進化戦略 / 有限要素法 / 歯の移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯槽骨リモデリングのアルゴリズムを組み込んだ長期的な歯の移動シミュレーションと人工知能 (AI) 技術を融合することで、矯正装置デザインと荷重条件の組合せの自動最適化を試みた。人工知能 (AI) 技術の適用にあたっては、非線形最適化問題を解く手法として共分散進化戦略(CMA-ES)を用いた。装置デザインとして、埋伏犬歯を最終目標位置まで牽引する状況を想定し、埋伏犬歯に装着するアタッチメント位置とホールディングアーチ上の牽引用フック位置の最適な組合せ(牽引方向)を決定するシステムを開発した。具体的には、完成した長期的な歯の移動シミュレーションシステムを用いて、犬歯が埋伏したモデル上で、埋伏歯に装着するアタッチメントとホールディングアーチ上の牽引用フックを任意の位置に設定し、犬歯牽引のシミュレーションを行った。人工知能 (AI) 技術の適用には、最適化問題を解く手法として共分散進化戦略(CMA-ES)を用いて、移動後の犬歯の位置と理想目標位置の誤差を最小化した。最適化を行う関数に用いるパラメータには、犬歯抵抗中心の位置と傾斜度を用い、シミュレーション結果と理想位置における両パラメータの誤差が最小となる犬歯アタッチメント位置と牽引用フック位置の最適な組合せ(牽引方向)を決定した。有限要素モデルに応力や骨密度が骨改造速度に与える影響を組み込み、計算からフィードバックを繰り返し、シミュレーションの精度の向上をはかった後に、生体データとの近似性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小動物用in vivoマイクロCTの老朽化により、実験的歯の移動実験を行えない状況が一定期間発生したため、研究の進行に遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
患者を対象に、あらかじめ最適化したアタッチメント位置と牽引用フック位置を設定し、埋伏犬歯を牽引する。犬歯牽引前後に作製した歯列模型を対象に、高速3次元形状計測装置を用いて形状計測を行い、シミュレーション結果と治療結果における犬歯位置(移動動態)を比較することで、本法の妥当性を検証する。
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Causes of Carryover |
3DマイクロX線CT装置の老朽化のため、形態データを取得できない期間が長く続いた。このため、動物実験に必要な経費の執行が行えず、次年度使用額が生じ、動物実験に必用な経費を次年度に繰り越すこととなった。 使用計画について、新たに3DマイクロX線CT装置が導入されたため、次年度はより多くの顎運動データが取得できる予定である。研究の遅れを挽回すべく、実験に必要な物品、その他を購入する予定である。
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