2021 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the force delivered at the root apex in orthodontic aligners
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21K17192
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
栃木 啓佑 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (60769909)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 矯正力 / マウスピース型矯正装置 / システムの開発 / 歯根吸収 / 歯根膜 / 触覚センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスピース型矯正装置は、高い審美性のため、使用を望む患者は多い。マウスピース型矯正装置では、過大な矯正力が発揮されるという報告がある。矯正力の大きさは、歯根吸収の発生に関連していることが明らかになっているため、マウスピース型矯正装置では歯根吸収の発生リスクが高くなることが推察できる。しかし、歯根吸収の発生については、マウスピース型矯正装置では、エッジワイズ装置と比較し、少ないというシステマティックレビューもあり、不明な点が多く存在している。さらに歯根吸収については、矯正力だけでなく、根尖に加わる力を把握することが必要不可欠である。 そこで研究期間中、エッジワイズ装置とマウスピース型矯正装置での根尖に加わる力を計測し、分布の特徴の違いについて明らかにすることを目標とした。 令和3年度は、計測システムの製作に向けて、設計の打ち合わせを行い、現在も製作中である。過去に上顎中切歯の根尖部に加わる力を計測することを目的に製作した根尖部矯正力三次元計測システムでは、上顎中切歯の歯冠長や歯根長のみが再現されていて、上顎中切歯の形態は再現ができていなく、改善の余地があった。そのため、現在、製作中の計測システムでは改良を行った。さらに上顎歯列をシミュレートすることで、エッジワイズ装置とマウスピース型矯正装置での根尖に加わる力の比較が可能となっている。 新たな計測システムを製作している間、前述の根尖部矯正力三次元計測システムを用いて、上顎中切歯の舌側移動時における歯冠に加えた矯正力と根尖部に作用する三次元的な力の相関関係について分析を行った。その結果、上顎中切歯の舌側移動時に歯冠に加えた矯正力は、特に根尖部では、唇側方向と挺出方向に作用し、加えた矯正力と根尖部に作用する力の間には、それぞれ強い正の相関関係が認められた。(r = 0.99、0.95、P < 0.01)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度では、計測システムの製作と精度の検証を行うことを目標としていた。 計測システムの製作にむけて、設計を練り、現在は計測システムの主に上顎歯列弓を含む土台部分と、シミュレートした歯根膜と上顎中切歯が組み込まれたジグの部品の構築を行っていて、当初の目標をおおむね達成できたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず計測システムの構築を継続し、令和4年度中に計測システムの構築を完了させる。その後、エッジワイズ装置では、アーチワイヤーの材質や直径、結紮方法、スロットサイズによる根尖部に加わる力の違いを評価する。マウスピース型矯正装置では、装置の厚さやアタッチメントの有無、装置の材質の違いを評価する。今後は、エッジワイズ装置とマウスピース型矯正装置での根尖部に加わる力の特徴の違いについて分析を行う。
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Causes of Carryover |
(理由) 令和3年度の経費の多くは、システム製作代として計上していた。現在、システム製作中であり、システム製作代の支払いが、令和4年度になったため、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 主にシステム製作に経費を使用する。
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Research Products
(1 results)