2023 Fiscal Year Annual Research Report
プロバイオティクスの口腔・腸・脳相関への影響-自閉スペクトラム症における検討
Project/Area Number |
21K17199
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
尾田 友紀 広島大学, 病院(歯), 専門研究員 (40641949)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Autistic spectrum / oral microbiota / intestinal microbiota / oral flora / intestinal flora / 16S rRNA gene analysis / next-generation sequence |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、プロバイオティクスで自閉スぺクトラム症者の口腔内細菌叢を変化させ,腸内細菌叢およびその症状の変化を分析することで,口腔・腸・脳相関の実態を解明を目的とした.自閉スペクトラム症者と健常者を対象に,プロバイオティクス前後の口腔内細菌叢,腸内細菌叢を比較するとともに,自閉スペクトラム症関連症状の変化を調査する予定であった.初年度、新型コロナウイルスの影響で、自閉スペクトラム症者の来院が激減し、対象者の決定が難航した。そこで、自閉スペクトラム症者以外の知的能力障害者を広く対象とし、まずは健常者と知的能力障害者の口腔内細菌叢に違いがあるかを検討した。その結果、知的能力障害者の口腔内細菌叢の多様性は、健常者と比較して有意に低いことが明らかになった。上記の研究成果は、日本障害者歯科学会・国際障害者歯科学会にて発表後、英語論文としてまとめた。次年度は、自閉スペクトラム症者16名と同居する兄弟について、唾液、歯垢、便を採取し、細菌叢の違いについてゲノム解析を行った。最終年度は得られたデータを解析し、唾液と歯垢では、自閉スペクトラム症群は健常者と比較して、有意に多様性が高く、便においては差がないことを明らかにした。新型コロナウイルスの影響で研究が予定通り進行せず、プロバイオティクスの影響まで検討することはできなかったが、上記のような一定の成果を得た。今後本内容を日本障害者歯科学会・国際障害者歯科学会にて発表後、英語論文としてまとめる予定である。
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