2022 Fiscal Year Research-status Report
聴覚を介した自律神経変動の管理による高血圧患者の安全な歯科治療環境の創造
Project/Area Number |
21K17200
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山下 薫 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 講師 (50762613)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自律神経 / 心理 / 高血圧 / 音楽 / 歯科治療 / 抜歯 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会を背景に、高血圧患者の歯科治療を行う機会が増加している。高血圧患者の歯科治療は、歯科騒音による聴覚ストレス・痛み・不安・緊張による自律神経系の変動から異常高血圧などの全身的偶発症を引き起こす可能性が高く、安全な歯科治療を行うためには自律神経変動の管理が重要である。これまで我々は、健康成人に対する音楽聴取が抜歯中の交感神経活動の増加を抑制し、不安を軽減させることを見出したが (Yamashita K et al, J oral surg, 2019)、高血圧患者に対する治療中の音楽聴取の有用性は明らかではない。そこで我々は高血圧患者を対象として、音楽聴取を併用した歯科治療中の自律神経変動の管理が可能となれば、超高齢社会における安全な歯科治療環境を構築できるのではないかと考えた。本研究は、高血圧患者に対する歯科治療時の音楽聴取が自律神経機能と心理面にどのような影響を与えるか調べることを目的としている。対象は、鹿児島大学病院を受診し、鹿児島大学病院全身管理歯科治療部において静脈内鎮静下での抜歯が必要と歯科医師が判断し、かつ本研究への参加の意思を表明した高血圧患者40名とした。対照群と音楽を聴取させる音楽群をランダムに割り付け、デンタルチェア上で、脳波・心電リアルタイム解析システムMem calc Makin2(GMS社)を使用し、自律神経活動、循環動態のパラメーターを記録した。今後Nを増やし、解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り研究を進めることができているため、本研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
Nを増やし、解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
前年度に購入していた消耗品があり、そちらを使用して研究を行えたため。今年度より消耗品の購入が必要なため、そちらで使用する予定である。
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Research Products
(4 results)