2021 Fiscal Year Research-status Report
知的障害者のフレイル予防に関わる口腔状況の把握と口腔保健行動の重要性の検討
Project/Area Number |
21K17203
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
野々山 順也 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (00760406)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 知的障がい者 / フレイル / 口腔保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
知的障害者も健常者と同様にフレイル状態があり、フレイルの予防や改善することは知的障害者の健康寿命の延伸につながる。フレイルの予防には口腔の健康維持が重要であり、知的障害者においても同様であると考えている。しかし、知的障害者のフレイルと口腔との関連についての報告は我々の知りうる限り見られない。 令和3年度に知的障害者施設への実態調査を予定していたが、新型コロナウイルスの全国的な蔓延のため施設長より調査の実施許可がおりなかったため、実施していたアンケートの分析を行った。 40歳以上の知的障害者を対象としてアンケート調査を実施した。基本情報として、年齢、性別、障がいの診断名、療育手帳の等級、主な生活場所について尋ねた。口腔の情報として、現在歯数、口腔の健康行動に関する質問として、かかりつけ歯科医の有無、定期歯科受診への受診の有無、1日の歯磨き回数について尋ねた。歯の本数を目的変数、年齢、性別、障害の重症度、障害の種類、主な生活場所、かかりつけ歯科医の有無、歯科医院への定期管理、主な歯磨き者を説明変数とした多項ロジスティック回帰分析を行った。 その結果、40歳以上の知的障害者の歯の本数は、年齢、障害の種類、定期歯科検診の受診の有無、歯磨き回数が関連した。知的障害者は健常者に比べて早期に多数の歯を喪失していた。定期歯科検診を受診することや1日の歯磨き回数を増やすことは歯の喪失を防ぐ可能性が示唆された。 上記の結果を現在、知的障害者の国際雑誌(JIDR)に投稿している状態である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの全国的な蔓延のため実態調査が行えないためやや遅れている状況である。ただ令和4年度中には実態調査を行い早急に研究結果をまとめる予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスが落ち着き調査が可能になれば早急に実態調査を実施予定である。また、フレイルと口腔の関連を知的障害者を対象として報告した論文は未だほとんどないため、この結果を英語論文にまとめ令和4年度中に投稿予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルの蔓延のため調査が出来なかったため。 令和4年度は、新型コロナウイルスの状況が落ち着けば施設への実態調査を行う予定にしている。そのため、調査に必要な機材や人件費を計上予定である。また、コロナが落ち着かない場合は、アンケート調査を再度実施する。今回の調査に関する論文の校正や投稿費用について使用する予定である。
|