2023 Fiscal Year Research-status Report
歯周病原細菌が誘発する炎症応答におけるフラボノイドの作用機序解明
Project/Area Number |
21K17207
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Research Institution | Kobe Tokiwa University |
Principal Investigator |
西保 亜希 神戸常盤大学, 保健科学部, 講師 (30880653)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マクロファージ / 歯周病原細菌 / フラボノイド / 炎症性サイトカイン / Dアミノ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,歯周病原細菌を感染させて炎症を誘導したマクロファージ様細胞に対して,抗酸化作用を有する有機化合物群であるフラボノイドが与える影響について検証してきた. 当初立案した研究計画は,①歯周病原細菌が侵入したマクロファージに誘導される炎症性サイトカインの発現解析 ②フラボノイド添加による歯周病原細菌が侵入したマクロファージの免疫応答の解析 ③フラボノイド添加による歯周病原細菌が侵入したマクロファージの免疫応答の解析である. 前年度までに,フラボノイド群に含まれるDayzein,Epicatechin, Quercetinの3種を研究に供して,炎症性サイトカインIL-1βの発現を確認できた.3種のうち,Epicatechinが炎症抑制に働く傾向が認められた.計画立案のうち,③に関するデータの蓄積が必要であるため,引き続き検討を重ねる予定である. また,今年度は新たにDアミノ酸を用いる検討も加えた.先述のフラボノイドはポリフェノールの1種であり,食品では茶葉や大豆等に含まれている物質である一方で,同様に食物に含まれる物質で生理機能活性に関与するという報告がされているのがDアミノ酸である.近年,哺乳類を含む高等動物におけるDアミノ酸の研究報告が増加している.そこで,刺激因子として新たに数種類のDアミノ酸を研究に供し,う蝕病原細菌や歯周病原細菌が有する病原性に与える影響についても併せて検討していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の遂行に係る時間が十分に確保できていないため。 今年度は研究計画の見直しも含め,円滑な遂行に努める。
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Strategy for Future Research Activity |
当初立案した計画は,①歯周病原細菌が侵入したマクロファージに誘導される炎症性サイトカインの発現解析 ②フラボノイド添加による歯周病原細菌が侵入したマクロファージの免疫応答の解析 ③フラボノイド添加による歯周病原細菌が侵入したマクロファージの免疫応答の解析である. 今後は③の遂行と,新たに加えたDアミノ酸が及ぼす効果と作用機序についても解明することを計画している.
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Causes of Carryover |
研究の遂行に十分な時間が確保できておらず,進捗がやや遅れているため.今年度は必要物品や試薬,論文投稿費用等,計画に沿って使用していく予定である.
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