2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of "dry mouth feeling" caused by radiation therapy for oral cancer: Establishment of an objective evaluation method for minor salivary glands.
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21K17209
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
眞嶋 みなみ 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (50876638)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 放射線治療 / 口腔乾燥症 / 小唾液腺 |
Outline of Annual Research Achievements |
①口腔癌の放射線治療患者に対する小唾液腺分泌量測定 パッド法:患者10名に対して、口唇、口蓋、舌、頬の粘膜を乾燥後、1×1 cmの口腔内パッド(医療用ポリエチレン合成繊維配合セルロース, セキムラ)を2分間接触させ、測定前後での重量を分析用電子天秤にて計測し、口腔粘膜1 cm2あたりの唾液分泌量を求めた。 画像評価法:患者10名に対して、対象部位の粘膜を乾燥後、高解像度の口腔内デジタルカメラにて2分後に撮影した。小唾液腺から唾液は粘膜表面に真の半球状に分泌されるため、得られた画像に写る各半球の直径を画像解析ソフトで計測することで、口腔粘膜1 cm2あたりの分泌量を間接的に測定した。両評価法とも、唾液分泌量の日内変動を考慮し、測定は午前9-12時に行い、1時間前から食事、歯磨き、うがいを禁止した。 ②総唾液分泌量の測定:小唾液腺分泌量との関連性評価の目的で、患者の総唾液分泌量を吐唾法(10分間)、刺激時総唾液分泌量はガムテスト(10分間)にて測定した。また、粘稠度の変化を曳糸性測定器(ネバメーター, 石川鉄工所)にて測定した。その他、口腔粘膜に含まれる水分量を数値化できる口腔水分計(Mucus, ライフ)にて測定した。 ③患者アンケート:小唾液腺分泌量および総唾液分泌量との関連性評価の目的で、摂食時および非摂食時の口腔乾燥感についてVisual analog scale法にて患者アンケート調査を行った。上記の各項目は、放射線治療後の画像検査タイミングにあわせて経時評価し、小唾液腺分泌量・総唾液分泌量および口腔乾燥感との関連性を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では小唾液腺の吸収線量を算出する予定であったが、CT画像では補綴物の金属アーチファクトによって口腔とその隣接組織を明瞭に描出できないことが多かった。今後、MR画像をCT画像と3次元的に正確に重ね合わせ、MR画像にて描出された小唾液線存在部位の吸収線量を算出することを計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
①小唾液腺分泌量の測定:引き続き口腔癌の放射線治療患者の小唾液腺分泌量を経時的に測定し、症例の蓄積を図る。 ②総唾液分泌量の測定:小唾液腺分泌量との関連性評価の目的で、引き続き患者の総唾液分泌量を吐唾法(10分間)、刺激時総唾液分泌量はガムテスト(10分間)にて測定する。また、粘稠度の変化を曳糸性測定器(ネバメーター, 石川鉄工所)にて測定する。その他、口腔粘膜に含まれる水分量を数値化できる口腔水分計(Mucus, ライフ)にて測定する。 ③患者アンケート:小唾液腺分泌量および総唾液分泌量との関連性評価の目的で、摂食時および非摂食時の口腔乾燥感についてVisual analog scale法にて患者アンケート調査を行う。 上記の各項目は、放射線治療後の画像検査タイミングにあわせて経時評価し、小唾液腺分泌量・総唾液分泌量および口腔乾燥感との関連性を明らかにする予定である。 ④小唾液腺の吸収線量の算出:放射線治療計画アプリケーションにて、CT/MR画像で描出される小唾液腺存在部位の吸収線量を算出する。また、詳細な検討としてCT/MR画像の1 pixelごとの線量計算ソフトを開発する。さらに、照射法間(3次元原体照射と強度変調放射線治療)で小唾液腺の吸収線量を比較し、小唾液腺分泌量および患者の口腔乾燥感の差の有無を経時評価する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため国際学会参加ができず、旅費を使用できなかった。状況によるが、次年度は国際学会参加・発表を予定している。
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