2021 Fiscal Year Research-status Report
舌マイクロバイオーム制御実現に向けたポリフェノールの有用性の検証
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21K17212
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
朝川 美加李 九州大学, 歯学研究院, 助教 (90852583)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 舌マイクロバイオーム / 16S rRNA遺伝子解析 / ポリフェノール |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、九州大学医系地区臨床研究倫理審査委員会に舌苔微生物叢の制御に関わる成分の探索と候補成分の有用性の検証に関する研究計画を申請し、実施許可を得た。採取した舌苔検体への候補成分添加培養実験に向けた予備実験を開始した。BMM合成培地の培養前後の安定性を確認するため、一部の対象者から舌苔検体を採取し、成分非添加のコントロール培地の中に舌苔が付着した不織布を加え、5%CO2、37°C下のもと13時間培養を行い、培養前後においてそれぞれ培養液を回収した。回収した舌苔検体からビーズ粉砕法を用いて細菌DNAを抽出し、細菌共通配列プライマーを用いて16S rRNA遺伝子のV1-V2領域をPCRにて網羅的に増幅後、次世代シークエンサーIon PGMを用いて増幅断片の塩基配列を解読した。その後、解読された塩基配列をもとに培養前後の舌マイクロバイオームの細菌構成を明らかにした。また、定量PCR法を用いて総細菌量を測定した。解析の結果、総細菌量は培養前後で有意な増加が認められた。一方で培養前後の主要な細菌属構成は、一部の細菌属において培養前後で構成比率に有意差が認められたものの、培養前の細菌構成をある程度維持した状態で培養可能であることを確認した。これらの結果を踏まえて、最終対象者の選定を行い、舌苔検体採取および培養実験の日程調整および、次世代シークエンサーを用いた16S rRNA遺伝子細菌構成解析の準備を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は培養実験に使用予定のBMM合成培地の安定した培養結果を確認できた。候補添加成分の培養実験に向けた対象者の選定や日程調整も進んでいるため、達成度としては「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は舌苔検体の採取を進め、候補添加成分の培養実験を進める。また、次世代シークエンサーIon PGMを使用して細菌 16S rRNA遺伝子の塩基配列を同定し、添加成分が舌マイクロバイオームの細菌構成に与える影響について詳細に検討する。
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Causes of Carryover |
最終的な添加培養実験が今後予定されているため、添加培養実験が終了後に、次世代シークエンサーIon PGMを用いた細菌叢解析で使用する予定である。また、解析結果を元に論文作成、および学会発表で使用する予定である。
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Research Products
(1 results)