2022 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部放射線口腔粘膜炎発生機序の解明と予防法に関する多施設共同ランダム化比較試験
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21K17213
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
津田 翔真 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (80896324)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / 放射線治療 / 口腔粘膜炎 / 口腔細菌 / 炎症性サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔粘膜炎は頭頸部放射線治療では100%必発し、約半数が経口摂食不可能になるグレード3の重度粘膜炎にまで急激に増悪する。重症化には、生じた潰瘍に口腔細菌が感染する「局所感染」と炎症増強で生じる「サイトカイン過剰産生」が考えられるが、両者の機序に焦点を当てた報告はない。本研究ではまず頭頸部癌放射線治療患者の唾液中の口腔細菌叢を次世代シーケンサーでゲノム解析すること、炎症性サイトカインをELISAで解析することで粘膜炎増悪機序を明らかにし、重症化予防法を確立することを目的としている。 本年度は長崎大学病院で放射線治療を受ける頭頸部がん放射線治療患者6名に対して①患者背景:年齢、性別、原発部位、ステージ、組織型、喫煙、飲酒、BMI、白血球数、リンパ球数、アルブミン、クレアチニン、CRP、照射方法(3D-CRT/IMRT)、1回照射量、予定および実際の照射線量、照射範囲、既往歴、合併疾患、②口腔内診査:プラークスコア、口腔粘膜炎のグレード(CTCAE-ver.3と5)、歯周組織の炎症、歯周ポケットの最大値、カンジダ症の発症、ステロイド軟膏の使用と種類、含漱剤の使用と種類、登録日のデータを採取した。また放射線治療開始日±7日、口腔粘膜炎G1発症日±3日、口腔粘膜炎G2 発症日±3日、口腔粘膜炎G3発症日±3日、放射線治療終了日±7日に専用のろ紙を口腔粘膜炎部に数秒間押し当て、またペーパーポイントを歯周ポケット内に数秒間挿入し、検体を採取した。これら採取したデータの症例報告書への入力作業を行った。 今年度は、コロナの影響もあり、予定よりも症例登録が進まなかった。そこで次年度も症例登録者数を可能な限り集め、目標登録数に近づけることを最大の目標とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍であり、対象患者を選定・同意を得ることが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数を確保するために、担当診療科と連携を取り、また積極的に研究同意を得ていく。
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Causes of Carryover |
コロナにより症例登録が大幅に遅れた。今年度は症例登録を積極的に進めて研究遂行する。そのため、繰り越した経費は採取用キットやデータ解析の試薬の購入に充てる予定である。
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