2021 Fiscal Year Research-status Report
面談制限下におけるリモート面談の患者へ与える影響の調査
Project/Area Number |
21K17222
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
杉本 侑孝 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (70896092)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リモート面談 / コロナウィルス |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今、新型コロナウィルス感染症(Coronavirus Disease 2019 : COVID-19)の世界的な流行により、感染対策の観点から様々な面で接触の制限が行われるようになった。医療現場においても、その程度の差こそあれ、入院者・入所者と家族・見舞い者との接触は大幅な制限が今なお続いている。特に申請者の居住する秋田県のようないわゆる過疎地域においては元々家族が遠方で生活されていて簡単に面談ができない入院患者が多く、特に昨今は家族が感染拡大地域とされる大都市で生活をされていることにより、厚生労働省が推奨する「新しい生活様式」の観点からも面談そのものが制限ないし禁止されることも多い。やむを得ず必要な連絡を行う場合は電話や電子メール等で行うことがあるが、これのみでは患者は「愛する者からの支えが不足する」と感じることは容易に予想でき、患者の精神的な苦痛、抑うつ、適応障害の危険因子となりうることは想像ができる。 この対策として電子機器を利用したリモート面談を試みる施設が増加傾向にあるが、普及したと言える段階には至らず、またその患者に対する効果についてエビデンスの高い報告はまだない。 面談が困難な家族を持つ患者に、リモート面談の前後のアンケート調査によってその影響を明らかにし、面談が困難な方へリモート面談を提案することで、孤独感が全人的苦痛に与える影響及びリモート面談の有効性と問題点を明らかにすることを目的とし、本研究を設定した。 スマートフォン等のデバイスを既に用意できる方に関しては研究への協力を得られず、主としてデバイスをお持ちでない方が対象となることが多いが協力を得られる方がおらず、アンケートの収集に非常に難渋している。対象者の拾い上げ、アンケート内容について見直しを行い、今後も協力者を集めることを行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
対象者数を全体として研究終了までに100名ほどを集めることを目標としてアンケートの収集を開始した。自前のスマートフォン等のデバイスを既に用意できる方に関しては研究への協力を得られず、主としてデバイスをお持ちでない高齢の方が対象となったが、当初想定したよりもリモート面談をご希望される方が非常に少なかった。また、リモート面談をご希望されてもアンケート調査に困難感を示される方も多く、対象の拾い上げに難渋している。主にがん患者におけるうつ病、適応障害に対するスクリーニング法として普及しているHospital Anxiety and Depression Scale(HADS)をアンケート内容として設定しているが、特に終末期癌患者であってご自身のデバイスをお持ちでない高齢者においてはこのアンケートそのものが難解である等、研究方法の設定における課題もあった。
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Strategy for Future Research Activity |
対象となる患者、リモート面談をご希望され、かつアンケート調査にご協力頂ける入院患者の拾い上げに難渋している。 各入院病棟担当者や、患者支援センター担当者などの関係各所と連携をはかり、リモート面談をご希望される方の拾い上げを強化すると同時に、難解であるとの指摘を受けたアンケート内容の見直しを行い、より簡易的に状況の変化を評価できる尺度などについても検討していく。
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Causes of Carryover |
当初は本研究に関する情報収集のための学会参加、あるいは関係者を招いての勉強会を開催する等の費用を設定していたが、コロナウィルス感染対策のため、都道府県をまたいでの移動に強い制限があり、これらがなされなかった。今後も感染状況に強く左右されるため見通しが不透明であることは否めないが、これらの情報収集のための会の開催・参加を行っていく見込みである。
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