2022 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の介護予防に向けたパンデミック下の社会参加活動の再構築プロセスの探求
Project/Area Number |
21K17223
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小曽根 早知子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80645549)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 社会参加活動 / フレイル / 新型コロナウイルス感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新型コロナウイルスパンデミックの影響下で、地域における高齢者の社会参加活動の現状と、活動の有無による身体・精神機能の違いを検討すること、さらには今後の活動再開あるいは再構築のプロセスをアクションリサーチの手法を用いて明らかにすることである。 1)地域高齢者へのアンケート調査:2022年4月に対象者5000名に対するアンケート調査を実施し、1954名から回答を得た。調査では、コロナ禍以前よりも社会参加活動への参加者は減っているものの、パンデミック開始当初の2020年4月頃よりも参加者の割合が増加していること、基本チェックリストによるフレイルの指標も改善傾向にあることが窺えた。今後は、2023年の学術大会において成果を発表し、論文発表する予定である。また、コホート調査として2023年5月に回答者に対して追跡調査を予定し、その実施に向けた準備を行った。 2)フィールドワーク:現地の行政職員や関係部署へアンケート調査の報告を行い、現状についての意見交換を行った。アンケート調査結果で明らかとなったようにパンデミック開始当初よりも社会参加活動への参加者は回復しているものの、パンデミック前の水準には回復していない現状があることは現地の様子とも一致していた。高齢者においては社会参加活動のオンライン化には限界があり、パンデミックを契機に要介護状態が悪化する、あるいはインフォーマルケアを得られないためにフォーマルケアを希望する事例が散見されるとのことであり、今後1)の追跡調査でも検証していくことを検討している。 3)インタビュー調査:年度内のインタビュー調査は実施できなかった。2023年度のアンケート調査の結果を踏まえて実施を検討する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、全体の研究実施は当初の計画よりもやや遅れているが、継続的に調査を進めることができている。具体的には、初回のアンケート調査の時期が2022年4月とやや遅れたため、2回目のアンケート調査の時期は2023年5月に延期して予定している。フィールドワーク、インタビュー調査は当初の予定とは異なり現地での実施を実現できていないが、オンラインを中心に可能な範囲でアンケート調査の結果を受けた議論を進めている。研究成果については、2023年度に学会発表、論文作成を予定している。
|
Strategy for Future Research Activity |
追加のアンケート調査は2023年5月に実施予定で準備が整っている。2023年度は初回のアンケート調査の成果を学会発表する準備ができている。2023年度のアンケート調査の結果を受けて、フィールドワークを進め、解析、論文発表を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
計画していた住民対象アンケート調査の開始が当初よりも遅れ、2022年4月に第1回、2023年5月に第2回を行う予定となった。このため2021年度の予算の大部分を2022年度に繰り越して第1回調査を行い、第2回の調査にかかる費用は2023年度に繰り越すこととなった。2023年度は繰り越した費用と当初の費用を活用し、第2回調査を行うとともに研究成果について論文は票をする予定である。
|
Research Products
(2 results)