2021 Fiscal Year Research-status Report
集団健診における唾液がん検査にみられる新規追加検診項目の有用性
Project/Area Number |
21K17238
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
野瀬 大補 福岡大学, 医学部, 助手 (50885572)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 集団検診 / 唾液がんリスク検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は非侵襲的ながん検査項目の導入が住民の受診率の向上や最終的な医療費削減政策の一つとなり得るかについて検証し、同時に検査の精度の向上にも取り組むものである。 2021年度は以下の作業を行った。① 健診・検診受診率、②町民1000人からのデータを用いて唾液代謝物と健診データの解析により、非侵襲的がん検査の精度検証を開始した。
新型コロナ感染症の影響を受けて、受診率は周辺の町村では7-10%の受診率低下を認めた。本研究の対象地区でも減少を認めたが平均して5%程度にとどまっており、新規の検査項目導入の効果とも考えられる。また、合計1033名の唾液を採取し、これまでに開発されてきた唾液によるがん検査を実施した。従来のがん検診も実施し、精度検証を行った。がん患者は本集団にて含まれなかったが、例えば膵がんであれば本唾液検査で陽性とされた症例の79.8%に早期慢性膵炎、のう胞などの膵臓疾患患者が含まれた。本検査で測定しているポリアミン類は前がん病変時点でのAPC遺伝子の変異の下流物質であるためがんと類似した代謝異常が起きる疾患も拾える可能性を示唆している。今後も引き続き、これらの症例のフォローアップ及び、精度検証を行っていく方針である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症の影響で、健診事業への介入は非常に困難な状況であった。 健診そのものが昨年度は限定的であり、会場設置も非常に小規模で既存の内容以外の取り組みは開催が許可されない状況であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度の健診結果の分析を行い、受診動向等について分析を行う。 唾液によるリスク評価に関しては症例拡大だけでなく、これらの症例のフォローアップによりがんハイリスク群が拾えているかの特異性の検証を行っていく。
|
Causes of Carryover |
新型コロナ感染症のために実質的な活動が困難であったため使用計画から大幅に遅れてしまった。本年度は行政の取り組みも再開する予定であり、昨年度の取り組みと合わせて研究を行う予定である。
|