2021 Fiscal Year Research-status Report
West症候群の早期診断を目指したオンライン動画診断支援システムの確立
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21K17246
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
黒田 文人 金沢大学, 附属病院, 講師 (00622812)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遠隔動画診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の初年度にあたり、まずは小児神経専門医およびてんかん専門医を中心としたオンライン診断委員会を組織することを計画し、予定していた2名の小児神経専門医に依頼して、メディカルメッセージングサービスMediLineを利用した通信システムを確立し、関連病院から依頼のあった診断困難な症例の動画を共有の上、互いにやりとりしながら診断を行って依頼元にフィードバックすることを試み、うまく機能することを確認した。 また患者(クライエント)にとってアクセスしやすいエントリーシステムの構築を目指し、スマートフォンで撮像した発作動画をオンライン診断システムに簡便にアップロードできるアプリケーションの開発のため、事業者との協議を行ったが、動画共有におけるセキュリティーの問題と、予算面で折り合いがつかなかったことなどから、アプリケーションを用いたエントリーシステムの構築は断念した。代替案として依頼者が協力医療機関においてのみアクセスできるパスワード保護されたホームページを作成し、発作動画をアップロードできるように整備した。 2019年4月から2021年8月の間に診断困難により医療機関から当院の小児神経専門外来を紹介受診した突発性異常運動を主訴とする就学前の乳幼児についてその特徴を分析し、過半数(55%)が、睡眠ミオクローヌスや身震い発作などの生理的運動であること、63.6%の症例で持参動画などで実際の異常運動を観察することができ,それらの症例では比較的スムーズに診断可能であったことがわかった。これらの分析結果を第125回日本小児科学会学術集会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スマートフォンで撮像した発作動画をオンライン診断システムに簡便にアップロードできるアプリケーションの開発を試み、事業者との協議にかなりの時間を割いたが、動画共有におけるセキュリティーの問題と、開発にかかる予算面で折り合いがつかなかったことなどからアプリケーションの開発を断念せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.作成したホームページを協力医療機関に周知して、クライエントをより広範囲からリクルートできるようにする。 2.オンライン診断委員会にて診断した発作時動画について分析し、オンラインにおける動画診断の妥当性を検証する。 3.石川県におけるWest症候群の診療実態調査を行う。
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Causes of Carryover |
主として、動画診断システムのためのアプリケーションの開発が、予算面で折り合いがつかずに頓挫し、開発費としての支出がなかったことによる。次年度に、代替案として採用したホームページのメンテナンスにかかる費用や、診断委員会のメンバーに支給する端末購入費、回線使用料として使用する予定である。
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