2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on mental stress related illnesses requiring long-term care in Japan
Project/Area Number |
21K17259
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
花岡 晋平 東邦大学, 医学部, 非常勤講師 (80860866)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国民生活基礎調査 / 精神的ストレス / K6 / 社会医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
①令和4年度は、実際に国民生活基礎調査の個票データの分析に着手した。プログラミング言語であるPythonで独自に開発したソフトウェアを用いて、世帯票、健康票、介護票、貯蓄票に分割されている約60万件の個票データを個人および世帯単位で結合した。このデータを、多項ロジステック回帰分析により解析し、わが国の18歳以下の中学生と高校性のうち、被介護者が同じ世帯にいる者のメンタルヘルスを解析したところ、統計学的に有意な影響があることを実証した。現在論文投稿を準備中である。 ②昨年度実施した国民生活基礎調査匿名データを用いて、わが国の一般人口の精神的ストレスの構造を二項ロジステック回帰分析で分析した。その成果を2022年の日本精神神経学会学術総会で口演した上で論文投稿を行い、現在査読中である。また、そのサブ解析として、未婚男性のメンタルヘルスに関しても解析を行い、千葉県公衆衛生学会で口演を行った。 ③本研究を進めていく中で、解析結果の空間配置を可視化する必要性が生じたため、ESRI社のArcGISを試験導入し、これを用いた空間解析を試みた。その試行的成果は、2023年6月に行われる日本医療マネジメント学会で口演予定である。 ④昨年度査読通過した、国際医療の質学会(ISQua - The International Society for Quality in Health Care)での口演は、新型コロナウイルス感染症流行のため、所属先から渡航許可がおりず、やむをえず抄録取り下げとした。 ⑤本年度より、上記①のデータを解釈するアイデアを得るために、精神医学、社会学、哲学、人類学の古典や成書を幅広く読み込む作業を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年国民生活基礎調査の概況に誤りが発見され、厚生労働省より順次データや統計表の修正が行われた結果、研究結果の再分析の必要性を検討する想定外の時間を要した。また、新型コロナウイルス感染症流行のため、東京大学、東邦大学、木村病院、松蔭病院などに所属する支援者との協議はオンラインが中心とならざるをえず、ソフトウェアの開発や、論文投稿に遅延が生じた。また、所属先より許可が得られず海外学会口演が出来なかった。データの解釈のため、精神医学、社会学や哲学を含む古典や成書を読み込むために、想定以上に時間がかかっている。それ以外は、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行による行動制限のため旅費等の支出が抑えられたため。The Pacific Rim College of Psychiatry (PRCP) への参加等を行う。
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